越境者 松田優作
映画やドラマで見せるまぶしいほどの光の陰には私生児、在日などの深いコンプレックスがあり、それがマグマのようなモチベーションとなっていたのだろう。
企業経営者などもそうだが、度が超えた成功を求めようとするものは周りを平気で傷つけ、踏み台にし、ドライに関係を切りながら、それでも惹かれてしまうなにかを持っている。
やっぱり凡人とはなにかが違うな。
日本国籍へ帰化を申請する際に書かれた文章はとても悲しかった。
死の前の期間には新興宗教にはまっていく姿も痛々しい。
死の恐怖の前にはそういった不合理なものにまで救いを見出してしまう。
死後20年過ぎてなお人々に記憶に残り、本が出版される。
すごい男だ。
日本映画[監督・俳優]論 ~黒澤明、神代辰巳、そして多くの名監督・名優たちの素顔~ (ワニブックスPLUS新書)
40年もの長きに渡り、日本の芸能界を席巻した稀代のカリスマ俳優・萩原健一(ショーケン)。前作と違って本書は題名が示す通り、『監督・俳優』論(当時の自分の役者としてのスタンスのみならず、関係した多数の演出家や共演者を含めて)に言及した内容となっており、著者の映像における哲学が余す事なく伝えられた内容となっている。
なかでも若き日の著者に与えた映画監督・黒澤明、神代辰巳両氏の影響は大きく、黒澤監督とは『影武者』〈1980〉の1本のみであるが、それでも27ヶ月にも及ぶ撮影の間に黒澤監督と映画談義を含めた多くの挿話は現在でも大きく刻まれており、神代監督とも『青春の蹉跌』〈1974〉以来、互いに信頼を重ねながら数本の作品に出演し、なかでも『もどり川』〈1983〉は自身にとっても満足のいく出来栄えであったようだ(当時、氏の大麻事件により、当作品がお蔵入りになった事は残念だ)。
私的には、NHK大河ドラマ『琉球の風』〈1993〉で氏から見てあまりに役作りをしない沢田研二氏に苦言を呈し、それに対する沢田氏の返答や東映の実録任侠映画『激動の1750日』〈1990・監督:中島貞夫〉で氏にオファーする名物プロデューサー・俊藤浩滋氏とのやり取りの挿話は面白く、『いつかギラギラする日』〈1992〉での深作欣二監督や共演者の木村一八、荻野目慶子両氏との作品に纏わる挿話は興味深い。
他にも『影武者』や『四十七人の刺客』〈1994・監督:市川崑〉(萩原氏にも出演要請があったが実現せず)など時代劇における萩原氏の歴史解釈にある独特の観点は面白い。
読後感として俳優としてのスタンスや作品における考え方など独自の哲学が述べられており、他者が決してマネできるものではない(追随を許さない)独特の世界観を感じさせる。これほどの強烈な個性を持った氏であるだけにできれば一度は萩原氏にも演出を挑戦して欲しいと思うが、おそらくそこには娯楽性がなく難易度の高い作品ができあがりそうな気がする。
八つ墓村 [DVD]
子供の頃、TVで観てトラウマになりました。小川真由美さんの鬼気迫る演技に惚れ惚れし、また震え上がりました。実話に由来する山崎努の殺戮シーンも凄まじい迫力です。また風景描写が美しく、心が洗われます。ショーケンや寅さんもいい感じです。これだけの内容が手に入るなんて贅沢極まりないですね。
ゴールデン☆ベスト PYG BEST
ジュリー大好きな、大学1年生の息子が探していたアルバムだったので、プレゼントに買いました。とても喜んでくれました。梱包もしっかりしていて、連絡もきちんとしていました。とても満足です