巨額粉飾 (新潮文庫)
なにこのおもしろさ!映画化されるんじゃないの!と言うのが率直な感想。
カネボウの崩壊した理由がほんとわかりますよ。
当時のカネボウに関する、テレビや新聞からの情報、あるいは勝手なイメージで
想像したカネボウとこの本を読み終えた後の真実。
こんなにギャップがあったなんて・・・・
我々はいかに、偽造された事実をあたかも、真実のように、
何でもわかった気で生活しているのだろうか。
大阪地検のフロッピー改ざんの件は、皆さんも記憶に新しいと思うが、
この本を読んでみると、地検が作者の不起訴となる決め手の証拠を掴んでくるではないか。
改ざんという証拠隠滅で、犯罪者に仕立てあげようとした地検とは全く逆のケースである。
地検はどちらの顔が真実なのか。
また山崎豊子作の「沈まぬ太陽」に登場する、日本航空の会長国見役こそ、
政府からの強い要請で招聘されたカネボウの会長である。
この本の作者が描くカネボウの会長と、山崎豊子が描いたカネボウの会長。
どちらの顔が真実なのか。
この本で、真実探しの旅に出られては・・・・
ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
現実に素材を取り、数々起こった事件に一貫した一つの見方を提示している。
あえて言えば、ちょっと謀略史観的なところはあると思うが、それはそれでいいと思う。
ストーリーの精緻さだけを見れば、ハゲタカ2は多少前作に劣るところはあると思うが、それでも第一級の書物である。
上巻のターゲットは鈴紡、下巻は曙電機である。
本書(「ハゲタカ」を含めて)を読むと、日本の企業に対する見方が一変する。
ゾンビ企業とはよく言ったもので、不採算部門の整理ができず、人も切れず、何とか生きながらえるために、粉飾をする。
銀行も倒れると処理ができないので、死なない算段だけはしておく。
再投資が進まないから、イノベーションも進まず、生産性も改善されず閉塞感が漂う。
こういう事情を知らないで気の毒なのは、当の会社の従業員である。
一方、自浄作用が働かないで漂流していた日本企業に選択と集中を促し、資金を投入することで企業の持つ潜在的な能力を引き出し、リヴァイタライズさせるというハゲタカの役割の方がどうみても日本の成長という目で見ると合理的な主張であるように思え、その意味で鷲津の「日本を立て直す」ための行動には共感をせざるを得ない。
「ハゲタカ」に続き、聞き慣れない言葉があちこちに出てくる。
例えば、「FA(フィナンシャル・アドバイザー、アドバイスだけでなく、パートナー探し、資金調達、政治対応を行う)」、「LA(リーガル・アドバイザー)」、「CRO(ターンアラウンドの責任者)」、
「ベアハッグ(買収を仕掛ける会社の取締役会に、取得条件を示して回答を迫ること)」、「レブロン基準(経営者が会社を売り渡そうと決めたら、最も高い価格の売り先に売る義務がある)」、「デッドマン・トリガー(逆買収。別名パックマン・ディフェンス)」とか。
この辺をさりげに日常会話に忍び込ませれば、会話に知的な香りが漂うであろう。
本書で、わくわくする、あるいは考えさせられる印象的なシーンは3つある。
一つは、「チーム鷲津」の結成である。 プラザの報復によりホライズンを解任された鷲津の元に、ゴールドバーグを辞めたリン、 クーリッジを辞めたサム、ホライズンをやめた村上、前島など志を同じくする同志が結集する。
二つは、アランの父が鷲津に「サムライ」について語ったシーンである。
「サムライというのは死に場所を探すために生きることだと多くの人たちは勘違いしている。本当のサムライは、いつどこで死んでも悔いのないよう、どう生きるかを常に考えているのだ」と語る。
三つは、坂口安吾からの「新堕落論」からの引用で鷲津を表現するシーンである。
「堕落者は常にそこからはみ出して、ただ一人、曠野を歩いていくのである。悪徳はつまらぬものであるけれども、孤独という通路は、神に通じる道であり、善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ」
以上、何かと示唆に富む書物である。
Bon Appetit!
竹内まりやさんの曲を聴いて思うのは、シングル曲・アルバム曲に関わらず、絶対にハズレがないという事です。アルバムのみの曲であっても、その殆どが何らかのタイアップをされているからかもしれません。だから、オリジナルアルバムなのにベストアルバムを聴いているかのような満足感を味わえます。これからもマイペースで、リスナーに良い曲を聴かせてほしいです。
不良化粧品一覧―資生堂よ、反論せよ (三一新書 (904))
大手メーカーが反論できないのは,事実だからでしょう・・・ でも,それは,しょうがないことなんでしょうね。今までの流通形態を取っている以上,中間マージンに価格のほとんどが,費やされてしまうのですから。これは,化粧品に限ったことでは,ないですよね。だから,最近になって,直販が流行ってきているのでしょう。
多くの人がインターネットを利用することによって,ますます直販が流行るのでしょうか? いや~,私の仕事,無くなるかもですね・・・ 時代の流れは,怖いです・・・