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FORTUNE ARTERIAL 7 (角川コミックス・エース 135-18)
ようやくの最終巻です。
メインストーリーの事件については、この7巻の半ばで決着がつきます。残りは、たっぷりエピローグに費やされています。おかげで「てるてる天神通り」で少し不満だった大団円の後の後日談の物足りなさは、こちらでは解消されています。さらにおまけ4コマの「ふぉーちゅん☆4コマ劇場!」がそのまた後日談、その上あとがきでも、もっと未来を予感させるカットがあり、読後の満腹感は半端じゃありません。まさにサービス満点です。
私はこの「FORTUNE ARTERIAL」は原作のゲームは未プレイです。結末に問題のあったらしいTVアニメ版も、早期に視聴から離脱していました。おまけにPS3のコンシューマ移植版は発売中止。そのためメディアの違いによる作品の比較は出来ませんが、このコミカライズ版は成功作ではないかと思っています。それは、全7巻を読み終えて、理屈なんかじゃなく単純に面白かったと感じたからです。
PCゲームからのコミカライズが多く発表される中、児玉樹先生のPCゲームからのコミカライズ作品である「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」と本作は共にこの手の作品としては長期連載となっています。これは、両作共に良い作品であるとリアルタイムの読者に評価された証であると思います。
児玉樹先生の作品としては、「Canvas2〜虹色のスケッチ〜」「てるてる天神通り」に比べるとシリアス分が強くラブコメ要素が弱いのが残念でしたが、これは原作の色として仕方ないのでしょう。
次回作はオリジナルらしく、青春魔女っ娘ラブコメディ「マジ☆ばけ(仮)」だそうです。こちらも期待しています。
どろろ
私はいままでまったくゲームをしたことはなくて、このためにPS2を購入したくらいです。それだけ手塚作品が好きです。
原作もにこだわりがある人でも、抵抗なく楽しめると思います。マンガの中で広がっていた世界のなかを縦横無尽に走り回れるだけでも、原作ファンとしては感無量です。
難易度ですが、ゲーム歴はまったくなかった私でも、すべての部位を集めることができました。
そのほかアイテム集めなどもほぼコンプリートでき、初めてのゲームとしてはとてもとても満足いく出来だったと思います。
ただ難しいゲームが好きな人にとっては、途中から単調に感じるかも。敵の倒し方はほぼパターンでしたので…(だからこそ初心者の私でも出来た)
エネルギー論争の盲点―天然ガスと分散化が日本を救う (NHK出版新書 356)
7月10日出版。昨日買って一気に読んでしまった。
まずは電力問題のみを論ずるのではなく、電力を含む全体のエネルギー論の観点から包括的に検討すべき点を主張している。(電力消費は全体の2-3割)
将来のエネルギー選択に関して。原発擁護派と再生可能エネルギー推進派で繰り広げられる白か黒かの議論にも警鐘をならす。筆者は現時点では、魔法の解決策はどこにもなく、幾分ベターな現実的な選択肢をもって、英語でいう「マドリングスルー(なんとかかんとか折り合いをつけていく)」方策をとるしかないと訴える。
そのカギとなるのが、天然ガスの積極的活用と、エネルギー源と地域の分散化、多様化である。副題「天然ガスと分散化が日本を救う」が内容を端的に示している。
天然ガスはコンバインドサイクル発電を使えば、CO2排出も少なく効率的に電力を取り出すことに期待が持てるという。(あとがきで、天然ガスにの肩を持ちすぎていると見られるかもしれないといわれるかもしれないが、中立的に書いたつもりであると断っている。)
太陽光発電、風力発電についても不都合な真実が存在する。これらへの過大な期待は現実的でない。むしろかつての原子力エネルギーに対する期待や信仰と瓜二つであるようだ。完全否定するわけではなく、これらのエネルギーも含めて分散すべきことを主張している。
天然ガスコンバインドサイクル発電、コジェネレーション、燃料電池、スマートグリッドについてはもう少し掘り下げて勉強してみたい。
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