モーツァルト:歌劇「後宮からの誘拐」全3幕 [DVD]
ジャケット表紙を見て「うっ!現代演出だ!」と思い、観るのを一瞬ためらったのですが、評価が高いので、思い切って観てみました。正解!
コンスタンツェ役のクリスティーネ・シェーファーは凛としており美しく、ベルモンテ役のボール・グローヴズは誠実で男らしい理想の恋人像です。ブロントヒェン役のマリン・ハルテリウスとオスミン役のフランツ・ハヴラタの掛け合いは、切なかったり、可笑しかったり。
そんな、演技が上手い歌手達ですが、歌も素晴らしく、(特にバスのハヴラタが良いです!)
演出、歌、演技全てに文句のつけようがありません。
が、私が特に気に入ったのは、太守役のアクラム・ティラウィです。この方は歌手ではないそうですが、育ちのよさを思わせる、素直で感情の優しい現代の若きアラブの権力者を演じており、(ジャケットの右側ですね)コンスタンツェが恋人の処に帰るのを、一瞬ためらっただろう気持ちに思いっきり共感できます。(笑)
賛否両論あるようですが、回転舞踊(スーフィーダンス)の取入れなども、私はとても好きでした。オペラ初心者にもお勧めします!