血の玉座――黒澤明と三船敏郎の映画世界
黒澤作品を、三船主演作16本から読み解くという、確かに一面的な視座に偏りを感じる面はあるが、逆にいえば三船主演作品(「赤ひげ」まで)こそが黒澤監督の全盛期だとすると、その全盛期の魅力の解題という意味で読めば非常に面白い一冊といえる。
映画評論家らしい、深い見識に立脚したマニアックなこだわりを感じさせる批評は、やや曲解ととられかねない強引さもあるが、黒澤作品に対する愛と感じることが出来る読者にとっては微笑ましく感じられるのではないだろうか。(例えば「野良犬」で出てくる警察の書類倉庫と、「赤ひげ」の薬棚に、三船の存在感の出現と終焉を重ねる、などという指摘は、よく映画を見ている、ともいえるし、そうかなあ、と感じさせる部分もある)
個人的に意を強くした、非常に納得ある批評は「赤ひげ」である。共同脚本家だった小国氏から「あの三船(の「赤ひげ」に関する人物造型)は違うぜ」と言われた事を黒澤さんはその後も悩んでいたというが、三船の圧倒的な強い赤ひげ像は、原作とも黒澤監督の本来の演出意図とも違い、やや強く家父長的すぎたというのは定説だが、この時点で既に国際スターだった三船を黒澤監督がコントロールできず、それまで不安定で成長過程にある存在を表現してきた三船が、完成されて権威となった時点で黒澤監督の映画の中での役割を終えていったという指摘は鋭いと思う。
以降、二人は交わらなかったが、運命としてその機会を逸した不運もあるが、役割論からいっても、あの強い三船像のままでは、黒澤作品の中では立場がなかったのかもしれない。
お二人とも、成長し、その年代で変転していくのは当然であり、その過程で16本もの優れた作品を残してくれたということは奇跡であるし、日本のみならず世界の映画ファンはこの二人の邂逅に改めて感謝しないといけないと痛感した。
KAT‐TUNへ―赤西仁がやめた本当の理由
1、ジャニーズ事務所の「裏」が知れるという意味で、
興味あるかたは是非読んでみて下さい。
2、KAT−TUNの情報が書いてあるわけでは有りません。
3、「SMAPへ」と同内容です。
「SMAPへ」を持っているひとは間違えて買わないように!
ただし、こちらの方は絶版になっているみたいでしたから、
買えなかった人はこの機会に。