新約聖書を知っていますか (新潮文庫)
この本は、聖書のなかの出来事をノンフィクションのように歴史的事実として私達に紹介してくれます。信仰を持たない作者同様、信仰をもたない私には聖書の世界に始めて触れるにはとてもよい入門書でした。読みやすいし、読み終わったあとの感想では、西欧や現代の社会が今までより少しわかったような気がしてとてもお得な気分になりました。
海外旅行やTVのドキュメンタリーでいろいろな文化に触れるのが好きな人でまだ聖書の世界に触れたことの無い人には、文化に対して理解が深まるのでお薦め!です。先に『旧約聖書を知っていますか』を読んでおくと更に理解しやすくなると思います。私はその順番でした。
旧約聖書を知っていますか (新潮文庫)
特に信仰心のない人にもわかりやすく、そしておもしろく書かれた1冊です。私も以前から一般常識の範疇で聖書に書かれた内容を理解しておきたいとは思っていましたが、さすがに聖書を手にして読むほどの意欲はありませんでした。そんなとき友人がこの本を紹介してくれて、一気に読み終えてしまいました。読んでみると、なるほど、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教のかかわりもわかりやすく、そして中東問題がいかに複雑なものかまでわかる気がしました。そして有名なエピソードも多く含まれ、気軽に読めるエッセイです。ぜひ、おすすめします。
コーランを知っていますか (新潮文庫)
この本のおもしろいところは、コーランに対する本音(あまり多くの人が表立っていえないようなもの)をずばり言っていることだろう。
あくまで、無神論者からの視点である。
たぶんこの本は、日本人はすんなり受け入れられても、諸外国、キリスト教やイスラムの人びとは、とうてい受け入れられない類だと思う。
これを読んだだけで、「イスラム教を知っている」と思うことにはならない。
なぜなら、多くのイスラム信仰者は、コーランを勉強することはあっても、通読、暗誦できるものはそう多くはないからだ。
(私たちだって、仏教の言葉は聞いてもほとんど分からないように)
彼らは、彼らなりの信仰に生きていて、それは必ずしもコーラン通りではない。
だからスンニ派やシーア派、原理主義、スーフィズムなど、いくつもの分派に分かれる。
この本では、コーランのことを概観できても、その先のイスラム全体は分からない。
入門書と言ってよいのかどうかは不明だが、岩波3巻分を読むのが辛い人には、これを足がかりにするのはアリではなかろうか。
ただ、これを読んで「知ったつもり」になるのは、いろいろと止めておいたほうがいいと思う。
信じる人はいつだって真剣なのであって、こうしたちゃかし方は、おそらく彼らの好むところではないだろうから。