口は禍いの門 町医北村宗哲
たまたま手に取った本ですが、思わぬ拾い物でした。
「居眠り紋蔵」や「縮尻鏡三郎」も、軽くて、気軽ではあったのですが、熱中するというほどではありませんでした。
それに比べると、本作は、適度な軽さと重さがバランスよくて、読みごたえがありました。
一話一話のなかに、その中で終わる短編話と、全編を通す長編話が交じり合っています。
前者は、概ね市中の人情話であり、こちらが軽い話です。
後者は、やくざの勢力争いの話であり、血なまぐささの漂う、重い話です。
著者の筆は、楽々と物語をつむいでいっているように見えます。
読んでいて、安心感があります。
難をいうと、時たま、知識を披露するところがわずらわしい、と感じられたりします。
好みの問題で、そういうところが好き、という人もいるかもしれません。
時代劇ファンにはお勧めの一冊です。
口は禍いの門 町医北村宗哲 (角川文庫 さ)
たまたま手に取った本ですが、思わぬ拾い物でした。
「居眠り紋蔵」や「縮尻鏡三郎」も、軽くて、気軽ではあったのですが、熱中するというほどではありませんでした。
それに比べると、本作は、適度な軽さと重さがバランスよくて、読みごたえがありました。
一話一話のなかに、その中で終わる短編話と、全編を通す長編話が交じり合っています。
前者は、概ね市中の人情話であり、こちらが軽い話です。
後者は、やくざの勢力争いの話であり、血なまぐささの漂う、重い話です。
著者の筆は、楽々と物語をつむいでいっているように見えます。
読んでいて、安心感があります。
難をいうと、時たま、知識を披露するところがわずらわしい、と感じられたりします。
好みの問題で、そういうところが好き、という人もいるかもしれません。
時代劇ファンにはお勧めの一冊です。