新編 思い出す人々 (岩波文庫)
名著「二葉亭四迷の一生」をはじめ、「二葉亭余談」「二葉亭追録」など、私のような二葉亭ファンには
有難い文章が収録されています。他にも「硯友社の勃興と道程」「齋藤緑雨」「淡島椿岳」「鴎外博士の
追憶」など楽しく読めます。
食道楽の二葉亭と食べ物にはまるで無頓着な魯庵、死の床にありながら大金をだして大辞典を買った
紅葉、あぐらをかくのは田舎者のする事だとして膝をくずさなかった緑雨、魯庵が語るこれらのエピソード
は些事に過ぎませんが、彼らの作品を愛読する者にとっては興味深いものです。
書店で発見してすぐさま購入し、その日のうちに読了して、今は「二葉亭四迷の一生」をもう一度読んで
いる所です。やはり面白い。熟読に堪える一冊だと思います。