再会の街で [Blu-ray]
男同士の友情を描いた感動作です。
ドン・チードル演じる主人公がとても優しくて、できた人間だなあという印象を受けました。
いくら学生時代の親友が困っているからといったって、妻子がいて歯科医としての仕事もありで、多忙な生活を送っているのだったら、通常、あそこまで友達のために自己犠牲的にはなれないと思います。
自身も家族がいるから、それを失った者の悲しみが人一倍理解できたんでしょうね。
それにしたって、感心しました。
精神的に苦しんでいる方との接し方といいうのも容易なものではないですしね。
友情だとか、もう、そういうものを超越したなにかおおきなあたたかさを感じ、深く考えさせられる作品でした。
余談ですが、劇中、「ワンダと巨像」というTVゲームで、二人が遊ぶシーンがでてくるのですが、このゲーム・・・、亡くなって、動かなくなってしまったヒロインの魂を蘇らせるために、自分よりはるかに大きな存在である巨像達に立ち向かっていく、一人の少年のお話なんです・・・。
・・・・ほんとに憎い演出です。笑
ブルーレイになったのを機に、是非、ご覧になってみてください。
再会の街~ブライトライツ・ビッグシティ~ [VHS]
再会の街 ブライトライツ・ビッグシティ Bright Lights, Big City. (1988)
監督:ジェームズ・ブリッジス
製作:マーク・ローゼンバーグ/シドニー・ポラック
音楽:ドナルド・フェイゲン
主演:マイケル・J・フォックス 共演:フィービー・ケイツ/キーファー・サザーランド
最初に観たのはレンタル・ヴィデオ。 鑑賞後の感想は ”オシャレ” とか ”ハイ・センス” という感覚的なものでした。 ジェイ・マキナニーが 84年に発表したベストセラー小説の映画化作品。 小説の映画化にあたり 彼は自ら脚色も手掛けた。 別に会話や服装、 映像等がズバ抜けてハイ・レヴェルというワケではないのですが 作品全体を包み込む雰囲気が ”オシャレ” なのです (笑) 都会的とかいうと 舞台がニューヨークなので当然な事になる。 この作品のサントラ同様 とにかくセンスが良い。 主な代表作がコメディー系であるマイケルが シリアスな役柄を演じているのが見所の 1つ。 彼が ここで演じるのは 雑誌社に勤めながら小説家を目指す青年・ジェミー。 突然消えた妻・アマンダ、 亡くなった母親の痛手に ドラッグや酒に溺れながら煌く都会で暮らしている。 この痛々しい青年をマイケルは見事に演じ コメディーだけではない演技の幅の広さを ここで披露した。 ジェミーの友人・タッドを演じるのが 今となっては 「24」 のジャック・バウアーで有名なキーファー・サザーランド。 ジェイミーにとってタッドは良くも悪くもある存在。 ドラッグやナンパに誘って悪影響を与えるも ジェミーの立ち直りのキッカケとなる女性を紹介したりもする。 いわゆる悪友ですか? ジャックとは似ても似つかないライトな男です。 ジェミーを苦しめる 帰らない妻・アマンダに扮するのは 我が青春のアクトレス 、 フィービー・ケイツ。 ジェミーと結婚後 モデルとして活躍するアマンダ。 だが 仕事でパリに行ったまま もう戻らないと電話後に失踪。 それからジェミーの どん底生活が始まる。 若い頃 長年付き合ってた彼女が ある日突然 買い物に行くと出掛けたまま 2度と戻らなかったという経験を持つ私には人事ではない。 あの時の絶望と恐怖は 今 思い出しても怖くてしかたない。 私もジェミー同様 彼女に再会した際に踏ん切りはついたのですが その後 2年はキツかったですね。 ありがたい事に母は まだ健在です (笑) ストーリーは他愛のないモノですが この作品は雰囲気を楽しむのが大事です。 登場人物 皆、 オシャレです。 タッドがジェミーに紹介する従妹のヴィッキーを演じたトレイシー・ポランは 後のマイケル夫人。 マイケルは好きだし フィービーは青春。 オマケにジャックの若き姿が見れる (笑) 私にとっては ずっと部屋のモニターで流しておきたい インテリア的な作品でもあります。
再会の街で [DVD]
心配して面倒をみてるのはアランの方かと思いきや、
実は感情のまま自由に生きているチャーリーを羨んでるのでは?
という妻の指摘は鋭かった。
こんなにクレバーな奥さんに心の底まで見透かされちゃうから
アランは息が詰まるようになったんじゃないかな?
両親を早くに亡くした上に、妻と娘3人を一度に喪ったつらさは
計り知れない。
これ以上精神が崩壊しないよう、現実世界から目を背けている
チャーリーに向かって、亡くなった妻の両親は、
「なぜ家族を思い出そうともしないのか」と非難する。
その後、事件以来誰にも自分の気持ちを打ち明けなかった
チャーリーが、
「写真も思い出の品も何も必要ない、
街を歩く女性はみな妻に見え、すれ違う少女は娘に、
駆け回るシェパードは愛犬のプードルに見える」
と語るシーンは、胸に迫った。
この言葉を口に出せるようになるまで、何年もの時間が
必要だったのだ。
「思い出す」というのは、忘れている瞬間があるからこその行為。
本当に大切なものを喪うと、24時間寝ている時でさえ頭から
離れないから、「思い出す」という表現が適切でない悲しみがある。
それを少しでも味わったことのある人は、チャーリーの言葉が
痛いほど分かると思う。
きっとチャーリーは、現在進行形で、癒えることのない悲しみを
心のど真ん中で受け止め続けてきたのだろう。
深い内容を描きながら、コミカルな場面も多くて、
良い意味で湿度の低い作品。
未来に希望を持たせつつ、サラッと終わっていくラストも良かった。