Vanessa Paradis
間違いなくレニークラヴィッツの最高傑作はこれだろ。Vanessa Paradis…?誰?なんて。ちょっと狂気を孕んだロリ声が大好きな俺にとってこのヴァネッサの逝っちゃったロリ声はストライク。ドツボ。これを聴いて男は悶絶。女は憧れるわけですね。ていうかこれ確信犯だろ…絶対。この舌足らずなフランス娘にレニークラヴィッツも本気出しちゃったというわけですね。35分しか収録時間がないのが唯一の欠点。このロリ声とレニーの生み出すナンバーを延々聴いていたい。3時間くらい続いてほしいです。
最高の恋人(字幕) [VHS]
確かに、内容はそれほどインパクトのあるストーリーではないのですが、
私の人生の、バイブル?ともいえるほどの、1本になりました。
多分それは、ニューヨークのネオンをバックに流れる優しい音楽、キュートなヒロイン・リーが住む家の雰囲気、・・・なんといっても夜の電車のネオンが交差する中「ミスターワンダフル!(最高の恋人)」といって抱き合うシーン・・・どこをとっても、言葉ではあらわせないロマンチックな「明かり」が胸を打つ、本当に素敵で暖かい映画だと思います。
とくに私は、自分が大失恋をした直後に見たせいか、すごく癒されたので、この1本には本当に感謝・・・そして、もっといろんな人が見て、「本物の心の明かり」の暖かさを、一緒に感じ取ってくれたら・・・って思います。
突然炎のごとく〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選9〕 [DVD]
TVドラマの副音声のように、登場人物の心理状態を解説したナレーションがしつこいほど挿入される。同じジャンヌ・モローが愛に満たされない女を演じたアントニオーニの「夜」と比べると、映画はきわめて饒舌だ。アントニオーニが多くを語らず観客を突き放す演出をするのに対し、トリュフォーは作品に対する自由な解釈を一切許さない。観客に対する信頼度の温度差を思わず感じてしまう。
かつて三國清三が「君の料理は洗練さに欠ける」という批判をフレンチの大御所トロワグロから受けたという話を聞いたことがある。この場合の洗練とは<無駄な部分をそぎ落とすことによって自然と身につく優雅さ>とでも言い換えればいいだろうか。その意味で、アントニオーニに感じる洗練さが、トリュフォーの本作品には欠けている。饒舌なナレーション、ストップモーション、ドキュメンタリー映像の混入など、実験的な試みが多分になされているが、本作品をかえって野暮ったく見せてしまっている。
それまでのフランス映画を徹底的にこきおろし自らメガホンを握るようになった経歴を持つトリュフォーにとって、初期の頃の作品には肩に無駄な力が相当入っていたにちがいない。友人同士の男の間で揺れ動く奔放な女。なんでも欲しがるカトリーヌの無節操ぶりと、トリュフォーの野暮な演出は意外とマッチしていたのかもしれない。
最悪で最高の恋人 (ラズベリーブックス)
普段はヒストリカルばかりでコンテンポラリーものは読まないのですが、面白そうだと思って手にとったこれは大ヒットでした!
歴史科の教師として真面目に働く30代独身(彼氏なし)のグレイス。ステキな男性をイメージしては頭の中で恋愛ごとを妄想する癖があります。有能弁護士であるクールビューティーな姉と誰からも愛される美人な妹ナタリーを姉妹に持ち、3姉妹の中で容姿の点でも人生の点でも自分だけがパッとしないと思い込み、さらにかつての婚約者は結婚間際で妹へ一目惚れしてしまい今は妹の彼氏に。周囲からは”かわいそうなグレイス”という扱いを替えるべくとっさに彼氏ができたと家族に言ってしまいます。もちろんそれは妄想の中の彼氏「医者の恋人ワイアット」なのに本当のことを言い出せず広まる嘘を貫き通すため四苦八苦。そんなある日お隣に越してきたセクシーな男性キャラハンとは最悪の初対面をはたすもどんどん彼に魅かれます。彼氏がいることになっているグレイスはどのようにしてややこしくなった状況をもどすのでしょう・・・
完璧じゃないけど心広いグレイスは等身大のヒロイン。男らしくて格好良いけど自慢できない過去があるキャラハンも等身大ヒーロー。一人称での書き出し方ですがヒロインの気持ちがすごく伝わってきて納得できるストーリー構成。少しコミカルでもあり切なくもあり、どうなるんだろうとラストまで目が離ません。グレイスの家族や周りのキャラクターたちも個性的で話の掛け合いもおもしろい。官能度はかなり低めだけど、ドキドキ要素は充分あります。ラストのほうでの”ぶっちゃけ発言”や”たたきのめす”場面は痛快でした。お気に入りキャラクターはサバサバ姉御なマーガレットと、落ち着きあるセクシーなキャラハン。もっと読みたい!と思わせるような作品です。
ROCK AND ROLL HERO
シリアスな歌詞と、シリアスなバンド・サウンドが充満しているアルバムだ。01年リリースした「波乗りジョニー」や「白い恋人達」とは気配も方法論もまったく異なる。02年、桑田佳祐が世に問うのは、生々しい音と言葉だ。
BUMP OF CHICKENやCUNE、初恋の嵐といった若いバンド群の台頭と、ミスチルやスピッツ、THE BOOMなどの自覚的なバンド群が、力強い活動を続けていた。一方で、ソロを名乗りながら徹底してバンド・サウンドにこだわる奥田民生と、井上陽水がいる。今作での桑田佳祐は、充実したバンド・シーンの中でも飛び抜けて成熟した姿を見せ、ため息が出るほどいなせなバンドマンぶりを発揮している。サウンドは基本的にギター、ドラムス、ベース、キーボードの4リズム。グルーヴの太さは特筆モノだ。歌詞のあちこちに散りばめられた、アメリカやイギリスのバンドたちの名曲のタイトルに呼応するように、ブルースからロックに発展した60〜70年代の粗野で艶っぽい音は非常に魅力的。生のバンド・セッションで作りながら、半年に及ぶレコーディングになったのは、サウンドの後処理とソングライティングにかけた時間なのだろうか。どの曲も音が素晴らしい。同時に、バンド文化を支える大きな柱である歌詞も、痛烈でセクシーだ。日本とアメリカの文化の関係を鋭く描いた2は、よくぞコカ・コーラがCMに起用したと驚いたものだが、ロー・ブロー連発の言葉で広く深く今の日本を描いた手腕は見事。階級化が始まるこの国のヒーローは桑田佳祐だと断言する。