バートン・フィンク グッズ

バートン・フィンク バートン・フィンク [DVD]

抽象的な作品が好きな方には絶品です。ブニュエルの『アンダルシアの』やアントニオーニの『欲望』が気に入った方は、とりあえずチェックすることをお勧めします。小説では表現できない映像独特の直球の感情表現がコーエン兄弟はとてもうまい。言葉にはできないが、何となくいい、というのが芸術の味わい。「映画を見終わった後、一言も説明ができないが『すごく良かった!』といえる作品こそが傑作」ロバート・アルトマン バートン・フィンク [DVD] 関連情報

バートン・フィンク バートン・フィンク [Blu-ray]

「バートン・フィンク」は傑作である。人間の意識下にある不安や強迫観念をモチーフに、身も毛もよだつホラーや心臓が止まりそうなショッカーを凌駕するような恐怖と不気味さを醸し出す。NYで新進気鋭の劇作家として注目を集めるバートン・フィンク、しかし、最新作での周囲の賞賛の声とは裏腹に、彼は作家として創作の限界を感じていた。早速、エージェントからビッグ・マネーでハリウッドでの脚本の仕事を勧められるも気乗りしないフィンクだったが、結局、LAにやってくる。まるで「エクソシスト」のメリン神父のごとき帽子と両手に鞄を抱えて、快楽と欲望渦巻くカリフォルニアに到着するフィンク。そして、ここから彼のストレンジャーとしての悪夢の地獄廻りが始まるのだ。そう、中西部の片田舎からNYに有閑マダムのお相手として一攫千金を夢見てやってきた田舎者のカウボーイが、病根溢れる大都会で悪夢を見る「真夜中のカーボーイ」とは真逆な、別の意味合いで、、、。くすんだ色調で異様なムードの安ホテルで彼を迎えるのは、ベル・ボーイとEV係りのただふたり。通されたのは、アール・デコ調に装飾された長く続く奇妙な廊下に、殺風景な部屋。人の気配をまるで感じないフロアで唯一顔を合わせたのは隣の部屋の巨漢の男。保険のセールスマンを自称する話好きなこの男に、フィンクは、ハリウッドに請われてきたものの、自分が目指している新しい演劇、リアリズムで怒りと悲しみに震えるような血の通った戯曲こそを書きたいと熱弁を振るう、、、。映画はこの後、どんどんと迷宮の世界に入り込み、フィンクが遭遇する不可解で恐怖の物語へと進んでいく。正直、初見時はその異様な映像感覚とゴシック・ホラー的な雰囲気に誘われたまま映画が終わってしまい、よく分からないお話だと思ったが、その後再見するにつれ見えてきたのが、これは、書けない焦燥感に苛まれる作家の悪夢(幻覚)なのではないかと言う事。つまり、作家がタイプライターの前で白い紙に向かっても何も思い浮かばない事の恐怖。現実と幻覚の境界はもちろんホテル。じっとりとめくれる壁紙、西海岸の浜辺にビーチ・パラソルと佇むビキニの女性の絵画。或いは、まるで部屋自体が意思を持っているかのような音の軋み、隣から時折漏れ聞こえてくる騒音、白い肌に吸い付く蚊の羽音。ゆったりと動くカメラとそれが凝視する被写体、セールスマンの耳から流れ落ちる膿、ベッド上の男女の絡みからそのままパンして洗面器の排水口からパイプの中に進入していくカメラ。正に得体の知れない不気味さと息苦しさに、幻覚はどんどんと拡がっていく。観る者の五感を掻き乱すような演出は、デビッド・リンチの「ブルー・ベルベット」を想起させる。ホテル内の出来事を幻覚と捉えるならば、ハリウッドでフィンクを待ち受ける出来事は実は至って明快。これは掟破りだが、ハリウッドでのパートだけをチャプターで選択し、そこだけを繋げて観れば理解して頂けると思う。ウイリアム・キャッスルみたいなB級・C級映画専門の映画会社社長とその使用人の寸劇はシュールなコメディみたいだし、ウイリアム・フォークナーをイメージしたと言われる無頼派の作家とその秘書のパートはまるでハードボイルドのパロディ、つまり、絢爛と退廃のハリウッドそのままだ。(余談だが、作家役のジョン・マホーニーが泥酔しながら歌う“オールド・ブラック・ジョー”は渋かった、思わず聴き惚れたな)デフォルメされた人工的で虚構的なハリウッド(現実世界)と、不条理にして不可解なホテルの内部(幻覚世界)。コーエン兄弟は、前作「ミラーズ・クロッシング」での脚本作業が行き詰まっていた時に今作のプロットが浮かんだという。と言う事は、、、今作は、彼ら自身の心象風景と強迫観念を映し出したものなのかも知れない。さて、最大の謎は、セールスマンの男から預けられた“箱”の中身。エピローグとも言うべきラスト・シークエンスで、西海岸の浜辺を歩くフィンクが出逢うのは、あのホテルの部屋に掛っていた絵画そのままのビーチパラソルと共に佇むビキニ姿の女性だ。フィンクの“箱”を目ざとく見つけて、何が入っているのかを訊ねる女。果たして、その中身は何なのか、結局明かされる事はなく観る者の判断に任されるのだが、ビキニの女性が、現実世界と幻覚世界の境界を繋ぐ扉(地獄への案内人)だと考えれば、おのずと中身は判明すると思うのだが、、、。P.S.ご存じのように、今作はカンヌ映画祭でパルム・ドール、監督賞、主演男優賞の3冠を受賞し、一躍コーエン兄弟の名を世間に轟かせた。彼らは、のちに、「ファーゴ」によって、今度はアカデミー賞の最優秀作品、監督、主演女優賞を獲得し、押しも押されぬ一流監督となった訳だが、両作を比べると肌触りの違いがよく分かるし、いかにもお互いがそれぞれの地域(前者はヨーロッパ、後者はアメリカ)で高評価されるであろう作品であるのが面白い。 バートン・フィンク [Blu-ray] 関連情報

バートン・フィンク バートン・フィンク [DVD]

どこか奇妙で脳裏に焼き付くような映像と、絶妙な場面転換、作品全体を覆うシュールなムードと、当時のコーエン兄弟の魅力に溢れている。またジョン・タトゥーロの熱演ぶりも凄い。彼は作品が違えば全くの別人に見えてしまうのだから、本当に名優だと思う。作品そのものの評価は五つ星だ。大好きな作品なので以前DVDを買ったのだが、正直がっかりした。ビデオより画質がいいとは思えず、チャプターもついていない。そこでメーカーさんに要望。リマスターを施したバートン・フィンクを発売してほしい。同意見のファンは多いと思う。 バートン・フィンク [DVD] 関連情報

バートン・フィンク バートン・フィンク(字幕スーパー版) [VHS]

シナリオ作家が迷宮に迷い込む物語なんて誰も読まない。それはフェイクだよねこの作品に作られた世界は騙し絵そして自慰しかしホテル舞台のホラー映画として見れば面白いです。いや、一番でしょう。あのホテルには行きたくない。 バートン・フィンク(字幕スーパー版) [VHS] 関連情報




Loading...


ここを友達に教える