高浜寛 グッズ

高浜寛 蝶のみちゆき (SPコミックス)

谷口ジローが帯でコメントを寄せています。遊女の一生を描いた漫画です。時代は江戸、場所は長崎丸山を舞台に主人公は几帳。几帳が身請けから太夫になって太夫で活躍をしている話を描いています。遊郭での人間模様を描いています。夜や暗い部屋の場面が多いのですがその暗さが幻想的できれいな雰囲気を出しています。遊郭での話はもりもと崇さんの難波鉦異本がありますがそれよりもドラマ性が強い気がします。雰囲気はいいです。一巻で完結をしているので少々あっさりしているような感じをしました。それが余韻を残していいという人がいるかもしれません。結局は几帳の恋愛がすべてでした。もうすこし、いろいろな人間模様が見たかったです。 蝶のみちゆき (SPコミックス) 関連情報

高浜寛 四谷区花園町

画力は言うこと無いが、ストーリーも素晴らしい。この作家の作品を一度読んでみて下さい。 四谷区花園町 関連情報

高浜寛 トゥー・エスプレッソ

 フランス人漫画家ベンジャミンはその道の大御所的存在。だがそれ故に作品へのモチベーションが低下し、自堕落な生活を送っています。 モチベーションを取り戻すため、彼は売れる前にパリで一晩限りの関係を持った日本人女性に逢いに行く事を思い立つ。彼女の残したメモによって、愛知県の寂れた町に辿り着くベンジャミン。そこで出会った喫茶店の店主にまっずいコーヒーを飲まされる。もうちょっと何とかしろ、喫茶店的な意味で、と思ったベンジャミンは彼に助力しながら、思い出の彼女を探すことに。 例えば、下手な少女漫画では有り得ないイベントが頻発します。起こったらいいな、と誰もが願う様な理想的なイベント。構成力が無い為に。 例えば、下手な萌え漫画では有り得ないハイスペックなキャラが登場します。側に居ると誰だって惚れちゃうだろう、良い感じに穴のある性格と穴のない外面。描写力が無い為に。  僕は初めてこの高浜寛という人の漫画を読みましたが、絵もストーリーも台詞も演出も非常に上手い。音楽を非常にプロフェッショナルにこなす友人が言っていましたが、本当に上手い人はその技術力の高さをリスナーにあえて見せ付けず、分からない様に潜ませる、と。正にそれです。うお、これはっ!という一コマや一生忘れられない名台詞がドカーンと登場する訳でもありません。 まるでズボンの裾を踏んだままの様にズゾッズゾッと物語は進んでいったかと思うと、終盤、一気に装いを正して一気に走り抜けます。最後の展開には思わずやられた!と思った人もいるんじゃないでしょうか。テンポ、台詞回し、コマの使い方のセンスの良さ。良質な映画を見ている心地良さを味わえます。 恋愛というのは人生のイベントの中でもひどく個人的な体験です。だからこそ、感情移入しやすく、一方で感情移入しにくい。当人にとっては人生を左右しかねない問題でも、他人から見れば「お前の問題でしかない、俺には関係ない話」だからです。自分の問題ではない話は、他人にとって「物語」でしかないのです。そこを取り違えてしまうと、非常に押し付けがましい、恋愛漫画になってしまいます。そうした漫画に涙し、感動するというのは、投影、結局自己陶酔なんじゃないかなぁと。ティーンの女の子ならともかく、ちょっとした大人がそうやって酔ってる様は少々滑稽。 トゥー・エスプレッソは、その極度な感情移入を拒み、さらっと読者に読ませる「力」があります。読者に感情移入を気付かせないのです。その感じがオサレ映画を観ているような感覚を与えます。決して、強い感動や滝の様な涙を引き起こす漫画ではありません。しかし、読む人をほっこりさせるその温かみは、恋・愛をテーマとして用いながら、本書を恋愛漫画から一歩踏み出した人生漫画ともいえる境地に到らせています。 少年でも少女でも青年でもレディースでもなく、「大人」の為の漫画だと思いました。 トゥー・エスプレッソ 関連情報




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