秋田県美郷町 佐藤あきお氏が唄う「道」人生の中に於いて何度となく奈落の底に突き落とされながら懸命に明日を信じ這い上がる生き様を、 ...
佐藤亜紀 グッズ
傑作。文芸でも、かっこいい超能力/諜報モノはかけるんだ、という最高の証明。作者は喜ばんだろうけど、推理作家協会賞とか星雲賞とかSFプロパも賞をあげなきゃだめだよ。超能力者同士の戦いの描写は、読んでいて頭が捻れそうになるし、キャラも魅力的で、これなら大友や萩尾のコミックにも拮抗できる。もちろん佐藤亜紀作品ですから、小中学生にもわかります。という親切なエンタメ作ではないので、下記(ご亭主の解説)が参考になるでしょう。[...] 天使 関連情報
ファンタジーという枠組みで捉えて甘くみると大やけどする、見事なまでに完璧な小説です。趣向でいえば、憂鬱といえば「甘美なる」と形容したくなる、没落貴族、ハプスブルグ家と聞くとついうっとりしてしまうといった類の人向け、でしょうか。ストーリーだけでも十分魅力的ですが、歴史的背景が驚く程しっかり描かれています。ある程度の年齢に達し知識(専門的というわけでなくあくまで常識程度の)身につけてしまうと、わざわざ「現在の日本」以外を舞台に設定しておいて俄仕込みのいいかげんなリサーチを元に書いたような小説には、陳腐さを感じて興ざめしてしまいますが、この本は十分なリアルさを感じられます。かといって、ストーリーの運びを邪魔するようなまどろっこしい歴史の説明がある訳ではありません。簡潔な文と勢いある運びでぐんぐん作品世界にハマれます。大人が、物足りなさを感じたり白けたりすることなく、心から楽しめる読みごたえある一冊だと思います。作風を他の日本人作家で例えることは難しいですが、川上弘美あたりとはかなり対極なのは確実かな。漢字が多いとダメ、外国文学アレルギーだ、という人には少しつらいかもしれません。 バルタザールの遍歴 (文春文庫) 関連情報
デビュー作からずっと読んできたが、初めて「私ってちゃんとわかっているのだろーか」という不安を抱かずに読了できた作品だ。ファンとしてこれほど幸せなことはない。読んだ後のそういう屁理屈を一切寄せ付けない。最初に2〜3ページ立ち読みしてみて(幸か不幸か、賞を受けたので書店に平積みされている)、文章の勢いにのれない方はさっさとおりた方がいい。行けると思った方は、そのまま勢いにまかせて最後まで読めば、それでいい。感情移入まではいかなくても、魅力に富んだ強情っ張りが山ほど出てきて、そのあたりが実に美味しい。 ミノタウロス (講談社文庫) 関連情報