人間失格 (SDP Bunko)
中学生の頃初めてこの本を読んだ時の衝撃は今もはっきりと記憶に残っている。人生に対する不安や恐怖というものをこのとき初めて感じた。そして心密かに「自分は必ず人間として合格する」と誓い、不安感の払拭につとめた。
太宰が死んだ年と同年代になった。40年の人生、自分なりには様々なこともあった。そして、先日四半世紀ぶりにこの本を再読した。すると、中学生のころ初めて読んだ時に感じた不安感、恐怖感は全く消失していた。神経が図太くなったのであろう。同時に太宰という人の繊細さを痛烈に感じた。僕らはいつの頃からか人生の様々な自己矛盾に目をつむり頬かむりを決め込んでいる。。我々凡人はそうせざるを得ないのだが、全くの無自覚は罪悪であると感じた。人を傷つける事につながると思った。
太宰はそうした自己矛盾に正面から立ち向かい、耐え切れず破滅した。自己矛盾に立ち向かおうとしたがため、繊細な太宰はかえって自己矛盾を増幅させ破滅に至ってしまったのではないか。
太宰は漱石、藤村、志賀直哉など多くの諸先輩には懐疑的だったが、森鴎外を敬愛していた。ゆえに太宰の墓は生前の希望で鴎外と同じ禅林寺の鴎外の墓の向かいに建っている。太宰は、鴎外が自己矛盾に誠実に立ち向かい、自身と違い強固の意志を維持し、遂にはそれを克服した人であったことを認識していたがゆえ、敬愛したのではなないだろうか。
そして、もし鴎外が存命であったならば、作家太宰治を、あるいは「人間失格」を高く評価したのではないだろうか。
Charaberrys Vol.5 (エンターブレインムック)
マクロスFの特集が、かなり力が入っています。監督インタビューもよいし、アルト君はじめ男子キャラ総力特集という感じ。でもランカちゃんやシェリルもしっかりチェックしているし、かなり読み応えがあります。
個人的に夏目友人帳も大好きなのですが、そっちもかなり枚数を割いて特集していました。値段がやや高いのがなんですが、かって損はありません。空の境界、マクロスFのポスターもついてるし。
魔法遣いに大切なこと DVD-BOX
そうですね。なかなかDVDもよかったと思います。ただ自分はコミックスのほうが好きかも知れません。あの淡いタッチがなんともいい感じなので。でもまぁアニメには文句はないです。とてもいい作品ですよ。
月に吠える (SDP Bunko)
抜粋版ではない「月に吠える」「青猫(定本青猫ではなく、最初の青猫)」が読める貴重な本である。
ちなみにこの詩集には詳細な目次が付いていない。
サービスが悪い気もするが、それは取りも直さず抜粋版詩集でないことの証拠でもある。
アカラサマに女性読者受けを狙った表紙の写真はやはり気になるが、
『恋を恋する人』をイメージして付された写真だと思えばごまかせなくはないだろう。嫌ならカバーを外しても良いのだ。
Fly Away
Fly Awayという歌はアニメ「魔法遣いに大切なこと」の2期のOP曲に使われています。
優しい雰囲気のメロディとどこか懐かしくて切ない印象を受ける歌詞、
それを表現するアーティストさんの歌声がとても素敵な作品です。
私は文章を書くのが上手くないので陳腐な表現しかできませんが、
本当に気取らない、疲れて荒んだ心に癒しを与えてくれる曲だと感じました。
最近は流行や新しいものが次々出てきて昔のことを失念しがちですが、
このFly Awayという歌は忘れても定期的に思い出しては聞いています。
受ける印象や評価は人それぞれですが、私の心にはとても深く絡んできた曲でした。