木に学べ―法隆寺・薬師寺の美 (小学館文庫)
システム関係の仕事をしていた頃、この本を読んで衝撃を受け、
その後、西岡氏の一連の著作をむさぼるようによんだのを覚えています。
なにより、衝撃だったのは、その仕事の成果に対するスパンの長さ。
次の世代という観点が仕事の中に織り込まれていて、明日、あさっての
成果に一喜一憂、埋没している自分には、とてもうらやましく感じたのを
覚えています。それと「塔は木組み・・・」で有名な口伝。システム業界では
プロジェクトマネジメントが大流行でやれPIMBOKだの何だのと・・・
でも、何か違うと感じていました。デマルコやワインバーグにも
通じる独特の処し方を宮大工の世界に感じました。
何より、薬師寺や法隆寺を目の前にした時の、あの畏怖の念。
それを。思い起こしてくれます。脱帽!!
木のいのち木のこころ―天・地・人 (新潮文庫)
西岡常一、その弟子の小川三男、そのまた弟子の若い人たちの聞き書きをまとめた合本。
二人の棟梁(西岡、小川)の考え方は決して同じではないが、時代に合わせて、技術を伝承
していこうという姿勢は素晴らしいと思います。
人の癖さえも、あまり直そうとせず、どちらかというとありのままに個性のままに人を使って
いく。これは普通の企業ではなかなかできないですよね。
若い人の話が意外と面白い。その時にいたほぼ全員に話をさせているわけですが、このことに
より、当時の斑鳩工舎の雰囲気がよくわかります。面白いのは自分たちが素人集団でこんな
大きな建物が本当にできるんだろうか?などど同じようなことを言っている。
あまりみんな怒らないし、マイペース。チームワークがいいんでしょうか?やはり親方の姿勢
なのか?
間違いなく日本が世界に誇る文化遺産、法隆寺にもう一度行ってみたくなりました。
宮大工棟梁・西岡常一「口伝」の重み (日経ビジネス人文庫 オレンジ に 2-1)
第一部では、氏がどのように生きたきてか、どんな魂を持っていたかが読み取れます。
第二部では、氏の生き方を直に感じた人達の話が書かれており、氏だけではなく氏に関係してきた人達の話も読むことができ、私の中で最も心に残ったものでした。
〈COLEZO!〉沖縄島唄 バラード・コレクション
1~5曲目と11曲目が普久原恒勇作曲。7がその父普久原朝喜の有名な曲で、残りは沖縄民謡3曲、八重山民謡3曲。本当に普久原恒勇のメロディーって美しい。個人的には特に玉城一美の「御縁花」と伊波智恵子の「歌や歌」はそれぞれの可憐な声と相まってとても好きです。ウチナーポップから深い民謡の世界へと入ってゆく橋渡しになる一枚になるのでは?(少なくとも私にとっては)。