プラトーン 特別編 [MGMライオン・キャンペーン] [DVD]
ベトナムの過酷な最前線に志願して入隊した主人公を視点にし、目的の為には手段を選ばないバーンズと戦場でも人としての最低限の心を忘れないエリアスの対立を描いてます。
小隊内での二人の対立はあの頃のアメリカ内の世論を象徴しているように思えます。マリファナをすっているエリアスはまるでヒッピーのようでした。
また、戦場での蛮行、殺しや暴行を楽しむ兵士やそれを止められない若い小隊長、人種差別やアジアの人に対する蔑視的表現、他にも過激な内容があります。
それにハッピーエンドな内容ではないので軽い気持ちでみると痛い思いをするのでお気をつけて下さい。
私は痛い目にあいました。
見終わってからいろいろしらべましたがこの映画は監督の自叙伝的なものなのだとか。
あの視点は元兵士でなければ書けないと思いました。
平和を語る人、戦争をやむおえないことと考える人、双方にみていただきたい映画です。
プラトーン (特別編) [DVD]
この映画はベトナム戦争映画の最高峰の一つと個人的に思う
志願兵としてお坊ちゃんのクリスが配属され、その視点で語られるの
ですが、「志願」てのがミソだとまず思った。
「自己実現」の場としての戦争。
それはオチこぼれの社会不適合者、自分の道が定まってないフリーターやニート、アダルトチルドレン
将来や社会に不安を覚える我々と同じ目線にも置き換えられる。
「世の中のためになること、それが自分の夢」
その理想と現実の間で
引き裂かれそうになるその葛藤が実にリアルなんです。
それは、同じ部隊のバーンズとエリアスという
二人の軍曹の反目に象徴されていて
そのことがアイデンティティとは自己実現とは何か
もちろん「正義」とは何か
普遍的、哲学的な問いかけがなされます
それは正に「見えない敵」!
一体何と戦ってるのかわからないという恐怖。
同胞にも疑惑と憎悪のめがむけられ、人間性の喪失という自分自身との戦い
大なり小なり、我々が生きてる上でも常に直面してる問題だ。
強烈な現実の前に
破綻しそうになる
「自己実現」という夢
その究極の姿がこの「戦争」であり、その理想が破綻したとき
それは容易に「犯罪」に変異するという警告を
オリヴァー・ストーン監督は投げかけてるんじゃないか
”殺人”という名の「犯罪」に
敵かどうかもわからない民間人を
殺害、暴行、レイプするシーンはそういう意味で強烈に印象に
残ってます
平和ボケした我々もまた<強烈な現実>を目の当たりにしたとき
そうした狂気とは無縁では決してない、ということ
生きるということは、そうした自分自身との戦いの連続であって
いくら目をそらそうとしても逃れられない
そのことが、劇中何度も流れる美しい
バーバー作曲:弦楽のためのアダージョ
の旋律にも似て切ない