白い巨塔 8 [VHS]
kono shiroi kyoto wa suggoku ito omoimashita. nagekado iuto kono dorama no owari ga suggoku ito omottakaradesu.
運命の人(二) (文春文庫)
第二巻、毎朝新聞政治部の敏腕記者の弓成亮太も、言論のヒーローから破廉恥記者に成下がり、読者から抗議殺到という状態に、社は事態の深刻さに狼狽する。週刊誌も、「有夫の女性をそそのかし機密文書を入手」、「女性をバカにするもので、不買運動」と攻撃された。いよいよ弓成亮太の外務省機密漏洩事件公判が始まった。公訴事実は、「被告人弓成亮太は、被告人三木昭子と秘かに情を通じ、これを利用して審議官に回付される外交関係機密書類を持ち出させて記事の取材をしようとした」というもの。この弓成という男は、大物政治家や高級官僚に持ち前の図太さでその懐深く食い込む。そしてその情報の質・量とも他の記者の追随を許さない。政治センスは抜群であった。しかし社内で年を追う毎に自信過剰になり、非常に横柄な自尊心の強過ぎる記者になっていき、それを諌める上司もいない。そんな男が原資料そのものを第三者(社民党・横溝宏議員)に提供し、結果的にニュースソースを明らかにしてしまった。新聞記者の風上にも置けない、新聞記者のモラルから逸脱した輩だ。編集主筆、編集局長は降格、弓成本人は休職になる。そして次第に毎朝新聞の経営自体に深刻な影響を与えることになる。そもそも政治記者が外務省安西審議官と癒着が過ぎる。高校の先輩・後輩、審議官は小倉本拠の安西財閥の長男。弓成は九州一の弓成青果店の長男という関係から意気投合し、外務省内の審議官室もフリーパスということ自体が遺憾だ。一方で36歳の妻の由里子が悲惨だ。堪え難い出来事の連続で、近隣の好奇の視線に雨戸を閉め切り息を潜めて家に閉じこもる。起訴状では弓成記者(40歳)が最初から機密文書を入手する為に三木事務官(38歳)と関係を結んだ挙句に、そのことを脅迫材料にそそのかしたとある。国家公務員法第111条そそのかし罪の男は続きの第三巻ではどうなるか。
運命の人(四) (文春文庫)
著者の問題提起、沖縄再考を促す本心はこの巻に込められたものと思う。沖縄県民からすればヤマトゥンチュー(大和人)と言われる私たちは、いかに沖縄を犠牲にしてきたのか、さまざまな事件を通じてやるせない気持ちになる。広島や長崎はもちろん、空襲を受けた都市も当然にして犠牲を出しているし、沖縄とはまた違った地獄があったのだと思う。ただし生身の敵兵が上陸してくる恐怖、人間同士が殺戮を目的とし対峙しあう恐怖、米兵に嬲り者にされるかもしれない女性が感じる恐怖は、地上戦独特の狂気の沙汰だと思う。本作品全体を通じて、エンターテイメントとしては、かつての作品に及ばない。基地の問題ひとつを取り上げても被害者目線だけでは済まない様々な議論があるうえ、それぞれの個別の事件はすでに報道でよく知られておりインパクトが弱い。また、国の沖縄政策について、一家言を持つようなハイレベルな読者には物足りないこともあるだろう。弓成の再起もどちらかといえば地味だ。しかし沖縄の苦悩が切々と綴られている最終の第4巻を終え、やはり読んで良かったと思う。沈まぬ太陽で言えば御巣鷹山編の第3巻に相当するものと勝手に解釈している。チビチリガマ、鉄の暴風、少女事件はとてもつらく、涙なしに読めない。土地闘争、ヌチドゥ宝、大海原は痛快な部分もあり読んでいて楽しかった。
沖縄に旅行するときは、存分に遊べばいい。しかし僅かな時間を割き、戦跡を訪ねるなどして戦争について考え沖縄の過去現在未来を多少なりとも真摯に意識すべきである。沖縄を単なるリゾートと考えている輩には特に一読をお薦めする。知って遊べ。
白い巨塔 DVD-BOX 第一部
原作の当時とは医療の現場も、癌に対する患者の認識も違っている現代。
田宮より弱い財前。山本より悩める里見。
比較してこう映るのは、高度化する医療技術故なのか、変わらぬ命の重さ故なのか...
医療技術の進歩は芳しいが、それを扱う人間の本質は変わっていないため、
医療現場は数々の問題を抱えたまま、それでも人の命を扱い続けなければならない....
現代に生きる我々に、医療の課題を生々しく突きつけると同時に、人間の本質をも描き出す秀作。
権力を目指す田宮よりも唐沢が時々見せた弱さが私の心には響いた。
理想を追いながらも悩む江口も唐沢財前とマッチしていたように思う。
「不毛地帯」オリジナル・サウンドトラック
重厚なストーリーゆえに視聴率的にはやや苦戦しているようですが、
「白い巨塔」以来、民放では久々の本格的な連続ドラマです。
オープニング曲の坂本龍一のメインテーマ、そしてクロージング曲の「トム・トラバーツ・ブルース」、
いずれもこのドラマにふさわしい印象的な秀作です。
さらに特筆するべきことは
実際にドラマ内で使用される菅野祐悟の劇伴音楽。
こちらも重厚なドラマにふさわしい素晴らしい出来ばえです。
とくに準メインテーマ曲といえる2曲目の「不毛地帯 生きて歴史の証人たれ」ですが、
6曲目の「信念」ともにドラマの感動的なシーンで必ず流れる悲愴感漂う秀作です。
この10分間を超える長大かつ深みのある「不毛地帯 生きて歴史の証人たれ」だけでも
このサントラ盤を購入する価値はあると思います。