勇ましく高尚な生涯―18歳で逝った若き信仰者の日記
41年振りに復刻されたこの本は、1時間少々で読了した。豊かな一時だった。きっかけは、著者と関わりのある知り合いから贈呈して頂いたことなのだが、それ以上に、著者の生き方を自分のそれと照らし合わせるよう強いる力に、読者は否応なしに引き入れられることになる。時は60年安保のまっただ中、登場人物はキリスト教の信仰を持って間もない高校生……。
登場人物の出会いの場は、高校生にキリスト教を伝道する目的で結成されたハイ・ビー・エー(HI・B・A)、「高等学校新生者会」とでも訳せようか。著名なマスコミ関係の父を自殺で失い、しかし母を通し、子供たちは信仰にしっかりとつながる。俳優の竹脇無我は著者の弟だ。
有名高校に入り、東大進学間違いなしと言われた著者は、しかし伝道師になってアジアに福音を伝えたいと決心する。だが、その頃にはすでに癌が身体をむしばみ始めており、入院して間もなく真っ黒い血を吐く生活が続き、数ヶ月もしない内に天に召される。その入院中、周りの患者や医師、看護婦に福音を語り続けた。
41年前、いのちのことば社から出版された時、この本はクリスチャンの間でベストセラーになった。当時、一冊200円。この良書をまとめ買いし、クリスチャンの希望について話すために配った方も少なくなかったという。
今年7月7日に著者を偲ぶ会が行われ、当時の関係者が集まった。その名前は、日記で構成されたこの本の随所に登場する。不思議な巡り合わせで今回の復刻となったが、これはまさに、本書の新生(born again)ではなかろうか。18歳という若さでありながら、日記に自己と他者を相対させつつ、聖句が要所に置かれ、その日々の歩みが展開する様を目にすると、読者は背筋をシャキッと伸ばし、居住まいを正さざるを得ない思いに駆られる。41年の時間を経ても尚、この根源的な問いは読む者に直接訴えかけるのである。
竹脇昌作が語る大東亜戦史~日本かく戦えり
竹脇昌作 1910〜1955
青山学院英文科卒業。NHKアナウンサー第1期生。
戦前戦後を通じ「パラマウント・ニュース」他のニュース映画で活躍。
民放発足後はラジオ界に戻り、ラジオ東京「東京ダイヤル」のDJとして人気を極める。
アナウンス技術も抜群であったが、独特のサビのある低音は“マダム・キラー”と称され一世を風靡した。
この作品は、太平洋戦争の簡潔な記録であると同時に、
テレビ時代を目前に自ら世を去った不世出の名アナウンサーの貴重な録音である。
【収録内容】
一、我等かく戦えり
二、レマン湖畔の弔鐘
三、勝利の軍艦旗
四、盟友互に結びて
五、帰らぬ平和の小鳩
六、歴史の日 十二月八日
七、大詔を拝し奉りて
八、鳳の羽搏くところ
九、Z旗ふたたび
十、飜える日照旗
十一、旋捷の春
十二、壮烈特別攻撃隊
十三、捷報世界に飛ぶ
十四、起きてよ印度
十五、原爆許すまじ