ジョン・フォード監督といえばお馴染みのモニュメント・バレーを拠点にして、数々の西部劇を製作したが、最高峰は本作だと思う。
とにかく面白い。偶然一台の駅馬車に乗り合わせた乗客たちの間で繰り広げられる人間ドラマも面白いし、クライマックスのアパッチ族との攻防など、アクションも満載で、今観ても非常に見応えがある。リンゴォ・キッド役を演じたジョン・ウェインは本作への出演で注目株になり、アル中の医者役を演じたトーマス・ミッチェルは、アカデミー賞助演男優賞を受賞している。
「観客を熱狂させるには何が必要か」ということを第一に考え、ジョン・フォード監督が製作した西部劇の金字塔。96分という手頃な時間も嬉しい。西部劇のファンならずとも、「西部劇なんてドンパチやってるだけでしょ」という先入観を捨てて観ていただきたい。きっと満足していただけるはずである。
愛をめぐる洋画ぼくの500本 (文春新書)よりも、本書の方が自分の好みの映画があり、採点基準も合っていたので、★4個にした。 五十音順の掲載で、星による採点、監督、主な出演者、製作年数と双葉氏の映画の短い評が載っている。 巻末は、五十音順の索引、年代順の索引等。 掲載されていて嬉しかった作品は「月蒼くして」「ブロードウェイと銃弾」「男と女の名誉」「恐怖の報酬」「テオレマ」など。 本書中の双葉氏が選んだ映画と作品評価は、自分の価値観とは合っているものが多かった。 掲載されている作品は1999年までの作品(2000年以降の好みの作品はチョッピリ紹介)。 あくまでも、双葉氏の好みの映画を取り上げているので、その点はご覚悟を! 人によってはDVDを借りたり、買ったりする基準、TV放送される映画の中から録画する作品を選ぶ基準として参考にできるかもしれない。 古い作品が好きな人だったら、楽しめそう。 このシリーズの他にぴあシネマクラブ (2000〓2001-2) (Pia mooks)が2000年までの映画なら、情報としては役立つかも?
1940年アカデミー賞2冠に輝いたジョン&ジョンコンビによる不滅のウエスタン。個性派キャスト陣が織り成す駅馬車内での人間ドラマ、アパッチの襲撃、騎兵隊の登場、緊迫した酒場、そしてクライマックスは町の中での決闘という具合にお馴染みの西部劇シーンの数々。
殺される者もいれば、生まれてくる者もいる。短い時間でこれだけのドラマを作り上げられたのも4度のオスカー受賞監督であるジョン・フォードならではです。
前年(1938年)アカデミー賞ノミネート女優のクレア・トレヴァは、後の1949年ボガードとバコール共演『KEY LARGO』で助演女優を受賞している名優。それにトーマス・ミッチェルは、同年にあの名作『風と共に去りぬ』にも出演している名助演男優で、1939年『THE HURRICANE』では助演男優にノミネートされて、この作品では堂々と助演男優でオスカーを手にした。そういえば、あのゲーリー・クーパー主演作『真昼の決闘』では町長役で出演してましたね。
演技としてはまだまだのジョン・ウェインだったが、周りの役者が彼を引き立て、誰が主演になってもおかしくない作品でした。ウエスタンファンなら決して見逃してはいけない一品でしょう。
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