このCDを買うまでオーボエという楽器の音をほとんど聞いたことがなかったが、すごくきれいな音がすることがよくわかった。 マルチェルロの協奏曲の有名なベニスの愛のテーマにしても、タイスの瞑想曲にしても、非常に美しい。ビブラートのかけ方や歌いまわし方も素晴らしくうまい。こんな日本人がいたのか。 CDの後半はジャズアレンジになっていて、ありふれたメロディがまた違った印象になってよかった。 学習者はもちろん、オーボエ入門者にもお勧め。
クラシック音楽をこれから聴こうという人にも、また、これまである程度聴いて来た
という人にも、楽しい案内となる一冊です。
著者の宮本氏はご存知オーボエ奏者。今はオーボエは卒業して指揮に専念しておられ
るようですが、そんな、現場でやってきた方ならではの楽しい&恐ろしい話がいろいろ
と聞けます。
第一部では7人の作曲家について、あれこれと裏話を交えて、聴くポイントを語って
くれます。私はこれまでマーラーを避けていましたが(というか、全然面白いと思いま
せんでしたが)、これを読んで、もうすこし聴こうかな、という気になりました。
第二部では、いろいろな作曲家について突っ込んだ話をしてくれます。
繰り返しになってしまいますが、どちらもプレーヤーならではの話が聞けます。
というわけで、これからクラシック音楽を聴いてみようという方々には、ちょっとお
すすめです。
さて、それじゃこの本は無条件でイチオシか、といわれるとちょっと躊躇してしまい
ます。とてもわかりやすいし楽しいのですが、(自称)クラシック音楽ファンとしては
どうももの足りません。それに、このような新書ものの常なのかもしれませんが、筆致
がとても柔らかい。というよりくだけた感じです。堅苦しくしないためだと思いますが、
ところどころで書き方がいい加減、という印象を受けました。また、一部と二部に分け
た意味もよくわかりません。縦書きの本に、横書きの脚注というのも、奇異な感じを受
けました。脚注を横書きにしたのは、出版社がコンピュータ関係だからでしょうか?
トータルとして、勝手な言い方で申し訳ありませんが、本の作り方がなんとなくゾン
ザイな印象を受けたような次第です(ごめんなさい)。
内容が貴重で楽しい話だけに、もうすこし練った作りにして欲しかったと思います。
心を癒すオーボエの音色。出勤時の満員電車で耳にすれば、気持ちが落ちつき、ゆったりできます。少し暗くした部屋で飲むお酒のアテにもバッチリです。
ホールですれちがって挨拶をしてもらったことのある宮本文昭さん。まだ15才だったけれど、のびやかな彼のオーボエは共通の恩師を持つ私にはとてもよく理解できた。宮本さんの時間はいつもオーボエの風に吹かれている。
↑というタイトルで1年をかけて始まった宮本文昭最後の日本全国を巡るツアーの、最後の公演。(実際には31日のトッパンホールの公演が最後。大所帯でやるのはこの東京文化会館が最後)
宮本さんはこの前も日本全国で公演をされており、「口の中が血の味がする」と仰っていたくらいハードスケジュールで吹いて吹いて吹きまくっていらっしゃいました。公演は自分の最後を締めくくる演奏にふさわしい、リラックスしつつも気魄あるものでした。(7時開演で、喋りすぎて終わりが10時過ぎてた)
CD化はされていないものの、本人お気に入りのカッシーニの「アヴェ・マリア」が収録されています。1本ピンと筋の通った凜とした演奏です。これだけでも買いだと思います。(笑里さんの「SMILE」には笑里さんメインの父娘競演ヴァージョンが収録されています)
宮本さんと親しい溝口肇さんや渡辺香津美さん、鳥山雄司さんなど、錚々たるメンバーが出演しているという点でもすごい公演でした。できればCDでも出して欲しいです。
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