ショパンが好きで、今まではアナログ録音のルービンシュタインで聞いていたんですが、せっかくだからデジタル録音の音源で他に無いかいろいろ探していて見つけました。 アッサリし過ぎていたり、技巧的過ぎたり、個性的過ぎたりとと中々満足できる演奏がない中、ルックスの良さから逆にあまり期待せずに聞いた彼女の演奏は、意外にも私のツボにハマりました。 ごく普通に弾いている感じで聴きやすいのに、それでいて十二分に叙情的で深淵な演奏です。
アリス・紗良・オットさんの演奏は、ネットで見て印象に残っていました。 ワルトシュタインをCDでも聴きたくて購入してみましたが、瑞々しくて いい演奏だったと思います。
まだ20代になったばかりでこの演奏ができるのなら今後が大変楽しみですね。 あまり技巧的な方に走らずに、曲の本質をえぐるようなピアニストになって 欲しいと思います。ベートーベンなら熱情やテンペストも聴いてみたいですね。
テクニカルにはすばらしい演奏です。この若さでチャイコフスキの1番、リストの1番のコンチェルトを弾きこなせる天分に驚きます。特にリストのコンチェルトはいいです。彼女もリストは得意なんでしょう。チャイコフスキはとにかく名曲で名演奏も多いので賛否両論ですが、彼女の問題というよりオケストラが前に出過ぎてしまって、バランスが悪いと思いました。iPODで聞いているので音質のことはとやかく言えませんが、録音の問題かホールのリバーブがかかりすぎて、ピアノの音がクリアでないのも残念です。録音風景をHPで見ましたが、とてもダイナミックで生演奏を聞いてみたくなりました。
日本国内盤は高いのですが、海外盤は同じ内容でも安価に手に入ります。
本誌の特集ではその紹介がなされています。
はっきり言って、レコード芸術は私は海外版のページしか興味が無いのですが、それがこの号では特集しています。
入手方法を含めた紹介記事など読んでおいて損の無い内容だと思います。
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