この第2巻のレビューを読んでいる方は、この作品が上下巻合わせて6000円払って読む価値があるかどうかを確認されている方が多いと思いますが、絶対に期待を裏切る事はありません。ヒメネスのペイントワークの素晴らしさは勿論の事、やはりホドロフスキーによる脚本が素晴らしいです。本作を邦訳で読めた事に本当に感謝したいです。
本著下巻本編でも上巻に引き続き、息をもつかせぬ意外な展開のオンパレードで、頭部を失いながらもアイデンティティを持ち、歴代最強且つ冷徹なメタ・バロンになったテット・ダシエが何故主役足り得るのか、説得力ある人物描写がなされています。色々な意味でダースベイダーを越えてしまっています。我々の予想を遙かに超えた生き様でした。 また、最後のメタ・バロン:サン・ノン(名無し)の至った境地は、ホドロフスキーの「禅」の世界観を物語るものです。こうした観点が「ホーリー・マウンテン」への流れになっている様です。そうした事が理解できるのも、邦訳ならではの有り難さです。 物語はしっかりと完結しており、本当に満足行く読後感がありました。本棚に「アンカル」と並べて置ける至福に加え、何度でも読み返したくなる作品です。
巻末には最新のインタビューも掲載され、執筆当時のエピソードや、ヒメネスとホドロフスキーの最近の動向を知るには貴重なものとなっています。上巻に掲載されたメイキング集「始祖たちの家」にも感動でしたが、完結した本作は、特別に掲載された短編も合わせて凄い内容になっています。特に最後の短編は、邦訳版「アンカル」に掲載された短編「ソリューンの誕生」とほぼ同じ脚本によるもので、メビウスとヒメネスの場面解釈の違いを楽しむ事が出来ます(最後の通過儀礼時の鎧のデザインが異なるのも興味深い点です)。たまたま同じ脚本で一流のアーティスト2人に競作させた結果になったのだとは思いますが、ホドロフスキーも常識では考えられない事をするもんだと呆れるやら嬉しいやら複雑な気持ちになります。また、この短編で語られる父(母)アゴラがこぼした涙とは、通過儀礼時の出来事では無かったのだということが、本書下巻を読めば判ります。
ShoPro Booksも、今後の邦訳出版作品の方向性を模索している様子ですが、「プレアンカル(アンカル以前)」か「その後のアンカル」の方向性も視野に置かれている様です。いずれもホドロフスキー脚本ではあるのですが、残念ながらアートはメビウスではありません。ストーリーも、 読者に深読みさせるせっかくの名ラストシーンが夢落ちだったという展開なので、個人的にはどうだかという印象ではありますが、アンカルワールドが邦訳でコンプリート出来るというのもそれはそれで有り難くも素晴らしい事ではあります。でもやはりここは、メビウスの代表作でもある(随筆「まわり道」も含む)「アルザック」完璧版の邦訳出版を期待したい所ではあります。
ShoPro Booksの次は、いよいよまさかの第2巻出版の運びとなった「闇の国々」。邦訳第1巻に掲載された作品が、芸術的観点だけでなく、文学的な見地でも至高に感じる程に素晴らしいものでしたから、他のエピソードが邦訳で読める事が今から楽しみで仕方がありません。このバンドデシネのムーブメントが今後一層 確かなものになることを願って止みません。
子どもが「マダガスカル1」を見て、はまったのを機に買ってみました。届いてすぐに中身を察したらしく「これなあに?」、「開けていい?」と聞き、開けると早速「見る!!」と大好評。話の内容としては、前回の続きからという設定で、子どもにもわかりやすく、また前回好評だったあの音楽も健在で、子どもは前奏を聴いた段階でお尻をフリフリしながら一緒に踊っています。惜しむらくはペンギンズの登場するシーンが少ないところでしょうか。
背部とリクライニングを中心にレビューします。私は細身体型で、首が疲労がちです。この椅子は、背部に棒や芯はありません。リクライニングさせ、浅く座る感じです。姿勢がよく、頭をもたれかけたい人には良いでしょう。猫背の人は、背部の圧迫感を感じるかもしれません。腰痛の方は、ランバーサポートが必要かもしれません。椅子にこだわりのある方は、参考にしてください。
「猫の恩返し」原作本。
「耳をすませば」(+「幸せな時間」)と一部設定は引き継いでいますが登場人物や流れは全く違いますので別の独立した作品と考えるべきでしょう。
映画と比べると展開が若干急なのが残念な所。大きく省略された点はありませんがユキちゃんと再会時のエピソードや迷路での出来事等に相違点が見受けられます。
絵柄に関しては初期作品とはかなり変化してしまいましたが賛否は難しい所。私は好感が持てましたが受け付けない方もいらっしゃるようです。柊先生の絵に惚れているといった方はその点にも注意が必要です。
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