日常的に吸血鬼『金魚鉢男』が闊歩する街とその対抗組織「血潜り」が存在する世界を描いて居ます。
非常に個性的な作品です。 ・「血潜り」があくまでも吸血被害者を救済する仕事がメインで、ヴァンパイヤ・ハンターでは無い事。 ・吸血鬼の吸血方法も被害者が辿る運命も奇抜。 ・血潜りが吸血被害者を救済する時のイメージは心象風景と人体内部を組み合わせた大変独特な物。 この点が最初は説明が無いと解り難いのですが、馴れてしまえば阿部氏の達者でスクリーン・トーンを殆ど使用せずに今風の萌え絵の要素と細密な背景を組み合わせた特異な画風共々病み付きになります。 ・非日常の戦いだけではなく、子供達が過ごす、まったりとした豊穣な時間も良く描かれている。 雨、田んぼ、西瓜畑、蝉しぐれ、金魚すくい、スクール水着と自然豊かな地方都市を舞台に夏の雰囲気が実に良く出ていて感心致します。 ・敵役の「金魚鉢男」と後半に出てくる「スイカ人間」の意匠はとても恐ろしい。 作者がマグリットやアルチンボルド等の幻想絵画を相当勉強されているのが分かります。 その他も ・何故か血潜りの制服がスクール水着で、カムバックした腕利き「杏さん(主婦。一児の母)」が赤ちゃんをおんぶしながらその姿をご近所に見られたらどうしようと悩む。 ・登場人物達のどこかずれた言語感覚。 ・仄かに薫るエロチシズム。スク水以外でも幼い頃、杏さんに助けられた少年の性癖がサラリと描かれているコマは見物です。 共々、荒唐無稽さと日常が共存する超現実的なイメージが全編を覆っています。
漫画史的には幾多の「ゲゲゲの鬼太郎」フォロワーで、阿部氏の様に若くして怪異・幻想以外のオフビートな点まで自分の物にした作者さんは余り居なかったのではないでしょうか。 しかも子供達が充分可愛く描かれているのも特筆物です。 登場する警官のキャラデが必ずつげ義春氏的なのもご愛敬。
お話的には己の未熟さを痛感した主人公の見習い血潜り『林檎』が、再訓練の為『血潜りの里』に行く旅の途中、訳有りの野生の血潜り「翠花」に出合う所で見事な引き。
同時収録された短篇「ぢごく」と「河童の食卓」も幻想や妖怪が日常に溶け込んでいる世界をのんびりと描いて居てお薦めです。
いろいろ調べて購入しました。腕時計にしようか迷いましたが、これにして良かった。コンパクトなのでテーブルに置いておけばいつでも使えるし、健康のため毎日朝と夜に計って、表にしています。とても便利です。
もちろん創元版を持っているわけだけど、ストーリーは原形をとどめていないくらい変わっているので割と楽しめた。その代わりゲーム部分は全く変わっていないので新鮮な感覚と懐かしさが同時にこみ上げる奇妙な感覚。でもやっぱり巨乳のヒロインには感情移入しにくいなぁ…。中の人は貧乳だそうなので、どうせならツルペタのボーイッシュ系ボク娘とかにして欲しかった。バルキリーナヲミにも会いたかったのに。 ゲームについては元々かなりの完成度を持っているので文句ありません。ただ、ストーリーについて一言言わせもらえば、400ちょっとのパラグラフに詰め込むにはちょっと壮大すぎるかな、と思う。個人的な好みかも知れないけど、この手の話にしては少しツボをハズしてる気がするし(一人称は止めた方が良かった)。マルチエンディングは良かったけどね。 ちなみに、現役女子高生ゲームブック作家という設定だけど、みんなサムいとか言ってるけど、効果はあるよ。何を隠そうウチの弟がすっかり信じ込んでいたし。ひとしきり爆笑した後、「それ、前の作者と一緒やで」って教えたら、「どっどこにバルキリーナヲミが書いたって載ってるというのだ!」などと食ってかかる始末。お前ピュア過ぎ。お便りコーナー読め。
とにかく怖い…バイオみたく打って殺しながら進むのもいいが,絶えず自分が負われる側に立ってプレイするというのはなかなか味わえないし,恐怖感もいっそう増える事間違いなし!! 体力もたっぷりあるわけではないので,迫り来る恐怖というものを存分に味わってほしい。効果音がまたまた雰囲気を盛り上げる!!
|