オペラ・バスティーユに「トスカ」を観に行く前にあらかじめこれを観ておきました。お陰で大変楽しめました。
今回のカップリングもよくこんなもの掘り出してきた!といわんばかりのカップリングだ。
RAIといえばレヴァイン&メットにおけるマルトン&ドミンゴのゼフィレッリ演出と同じプロダクションで、マゼール指揮ディミトローヴァ&ドミンゴによるミラノ・スカラ座の公演を収録したことでも実績があるが、それより20年も溯るモノクロームでの収録。テレビ映画として制作されたトゥーランドットである。オープニングから日本の鎧兜に身を包んで見得を切る謎の男が出てきたり、当然現代から見ればかなり「アレ」な内容だが、それでも貴重な映像である。
そしてカップリングされたのは長年幻の映像とされていたマルトン&カレーラスのマゼール指揮による伝説のウィーン・トゥーランドットである(単品では、近年TDKから正式リリースされていた)。あまりに下品な色使いという奇抜な舞台に当時の観客は度肝を抜かれたというが、それもそのはず、畑違いのミュージカル界の演出家、ハロルド・プリンスによるプロダクションである。名前を聴いて「あ!」と思う人も少なくないだろう。「オペラ座の怪人」のあの「凄いらしい!」(笑)舞台を作り上げた張本人である。
プリンスによる舞台は当時マゼールのゆったりとしたテンポとあいまって、非常に素晴らしい効果を挙げたらしく、ウィーン国立歌劇場の歴史上重要な一ページとして記憶されている。カレーラス、リッチャレッリ、ボガード、と歌手も揃っている。華やかなりし時代の舞台を見られるのは幸せ以外のなにものでもない。
相当の通人がこのシリーズを監修しているのは間違いない。
(レビュアー: 藤原)
特になし 可もなく不可もなし 私のおとうさん が聴きたくて買いました。
歌はすてきです。でも、バタフライの所作はかなり気になります・・・
八千草主演の映画蝶々夫人を待っていた。こんなところ(世界文化社)から出ていようとは!この当時にイタリアにこのようなセットを用意できたことだけでも奇跡に等しい。日本人が見てもなんの違和感がないのはすごいと思う。そして八千草薫の蝶々さん…悲しくなるくらい可憐で美しい蝶々さんである。そのあどけない笑顔を見て涙があふれた。これこそプッチーニが思い描いていたであろう蝶々さんの理想の姿であろう。八千草薫は吹き替えではあるけど、すべてイタリー語の歌唱を覚えたのだろうか?すごい根性である。映像はどの場面を見ても息をのむほど美しく、名画のようだ。そしてプッチーニの音楽がそれをいやがうえにも高めている。音楽は映像上つぎはぎだらけになっているが、これは許せる範囲であろう。
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