須藤ピクシーみ~ちゃんのもんまり研究所

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ゴールドラッシュ (新潮文庫) 柳美里さんの描く「夏」は、好きです。
とても生々しくて、ムっとするようで、好きです。

眩しい陽光と緑の煌きは美しく映え、蝉の合唱が鼓膜を揺らす、生と性に満ち満ちた夏。
けれど、太陽の光が強すぎるほど眩暈を起こす人は増え、そして影と光のコントラストは強くなっていきます。
「柳美里さんの描く『夏』は、好きです」と先述しましたが、私は柳さんの描く「夏」に拒絶された「影」が好きなのかもしれません。
少年は黄金町の影に呑みこまれたのか、夏の日差しに飲み込まれたのか。それとも、定食屋の二階で吸った麻薬に侵されたのか。
いずれにしても、彼の感覚が「麻痺」し、「影」に落ちてていったことは間違い無いと思います。

この作品が書かれたときから結構な月日が経ち、現在では小学生が同級生を殺す、という事件まで起こってしまいました。
これは哀しむべきことであるし、これらの少年犯罪についてはこれから深く考える必要があります。
私はこの小説の主人公とごく近い年齢です。この世代の男の子としては少年は随分大人びているような気もしましたが、読み進めていくうちに「実のところ背伸びしてるだけ」、という印象を受けました。

少年が父を「殺すこと」が重要なのではなく(勿論たいへんショッキングなことですが)、少年が父を殺すまでの「経緯」と、少年が父を殺して「それから」が重要なのだと、私は思います。
最後のシーン、檻の向こうの動物に少年のフリーズしていた感覚は溶け出します。
私にはどうも幸福な情景には思えませんでしたが、それでも少年の溶け出す心を一瞬でも垣間見ることが出来、救われる思いでした。


ソード・ワールド2.0リプレイ Sweets(1) わがまま魔剣はままならない! (富士見ドラゴン・ブック) 藤澤さなえといえば面白愉快でエロい人、という認識をお持ちの方にお奨めの一冊だと思われます。

「たのだん」はプレーヤー視点の語りだったため、乙女チック要素が過多になったところが読者層に合っていないように思いましたが(乙女の妄想はエロいということをよく表しているとも思いましたが)、GMをやらせたらさすがにベテランでした。
序盤はプレイヤーに振り回されっぱなしだったぺらぺらーずと異なり、プレイヤーを、よい意味で振り回して、楽しませていることが、読んでいてよくわかります。

そうして、明るいノリの楽しい作品だな〜と思って読んでいたら最後にとんでもない事件が……やはり藤澤さなえはエロだったか、そう認識を新たにしました。
詳細は、まあ本編をごらんください。
ウィザーズ・トゥームで設定の変わった妖精魔法、魔動機術、あと深智魔法の用例もあります。

ライヴ・イン・ハトヤ 噂には聞いていましたが、今回初めて拝聴する事が出来ました。いやぁ、凄いですね!最高の名盤(迷盤!)です!!口上でのタモリさんもメチャクチャ、暴言のオン・パレードです!構成についてはショックでした。“こういうアルバムもあるんだなぁ…”と衝撃を受けました。ギャグ盤な筈なのにバカに出来ないのが歌です。全曲素敵です。ハトヤのテーマから始まり、優柔不断音頭までどれも素敵です!伊東鳩子さん(笑)も聴かせてくれます。名曲でした!とにかく買って損なしです。“ちょくそ”する気になりません(笑)!!
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