小出先生の優れた専門性と
「ミツバチの羽音と地球の回転」の
鎌仲ひとみ監督の言葉と投げかけがマッチし、
とても深刻な現状を前向きにとらえることができる本です。
原発問題を歴史を含め理解したい人、
悲観や絶望から立ち直りたい人に読んでほしいです。
本書は、原発施設の爆発に対してなすすべもない、あまりの不甲斐なさに怒りを覚えた朝日新聞記者が、3月11日以降9ヶ月の間に接触した125人のインタビューを基礎に、「3月11日午後2時46分」から(菅)「政権崩壊」までを時系列にまとめたルポルタージュである。
一つ注意喚起すべきことがあるとすれば、関係当事者において積極的に情報を発信する人とそうでない人が当然ながらいるため、情報源の偏りが出てしまうことだ。菅首相の側近である下村健一内閣審議官は著者に詳細なコメントを提供した。そのため、全体として、菅首相に対して好意的に書かれており、その点割り引いて読む必要があるかもしれない。
当初、保安院はSPEEDIという、6時間先までの風速・風向を読んで放射線物質の大気中の広がり状況を地図上に落として予測する仕組みを活用できなかった。 しかも最初の想定結果は官邸に伝えられなかったという。 対外的な公表は3月21日発売のAERAがデータ隠ぺいと報じるまで伏せられた。
斑目春樹原子力安全委員会委員長が酷評されている。首相のアドバイザー役であり日本の原子力最高の実務者であったはずだが、保身に終始するあきれる実態が紹介されている。 爆発は絶対ないとくりかえし発言していたが、原子炉建屋が爆発すると、両手で頭を覆って、「うわーっ」とうめき、頭を抱えたまま動かなかったそうだ。後に、「自分が爆発はないと言ってきたのは圧力容器のことであって、原子力建屋のことではない」という趣旨の発言をした。
すでに有名になったが現場は海水注水をやめなかった。ただこのとき、官邸が海水注水の中断を指示したというのは全くのウソで、武黒一郎フェロー(前副社長)の官邸の「空気」を察しての「おもんぱかり」が注水中断を指示させた。
清水社長の無能ぶりはあますとこなく伝えられている。一つ面白いトピックが紹介されている。3月30日に入院してしまった社長は、入院中の4月4日、ネットバンキングにて、三井住友銀行の住宅ローンの残高を全額返済している。個人への賠償請求を恐れたのであろうか。もはや救いようのない人物である。
今回の原発事故は天災ではなく人災、それも既存のマスメディアがその罪に加担したといった論調が大きかったため、朝日新聞記者が書かれた本書に興味を持った。本書を読む限り、まだ若干の希望が残っているのではないかと感じた。
内容的には今まで著者が講演会等で主張してきたことをQ&A形式で50項目にわたり集約したもの。東電と政府の対応、更なる放射能拡散の危機、放射能汚染された世界で生きる覚悟等がわかりやすく語られている。行間から40年間原発推進派に負け続け(本人談)、福島の大事故が起こってしまったことに対する著者の無念さと悲壮感が伝わってくる。一方、「強くなければ生きていられない。優しくなれないなら生きている価値はない」とのチャンドラーの言葉に著者の強い信念・哲学を感じた。著者によれば、安全神話に騙されきた大人の責任として、年齢に応じて汚染された農産物を食すべきとする。そして、原発・放射能の問題に「どう立ち向かうのか」という最後の問いかけは、われわれの胸に突き刺さってくる。
ここのレビューを参考にして購入しました。
星5つばかりで期待して買いましたが、以前のモデルと比べてダメな所多いです。
今まで使っていたのはSR-E8600です。キー操作や、一括検索、180万語、耐久性どれをとっても文句がありませんでしたが、
使い方が悪くて5年目でついにケースが壊れて買い換えました。
1、バックライトがない。
いったい何でこの機能を消したのか理解できない。
2、1文字削除、電源on/offのボタンが小さい
良く使うボタン、かつこの辞書の売りはパソコンのキーボードのような入力性の良さにあるはず、
なんで小さく、そして硬くしたのか理解できない。
3、検索が遅い
一括辞書では、対象とする辞書の数が多いせいか、レスポンスが悪い。
SR-E8600の1.5倍くらいする気がする。
特に、1と2のところは開発者の方は猛省して頂きたい。自分達もちゃんといつも使っているのだろうか?
この辞書は液晶がカラーではないため、ただでさえ、ちょっと暗いと見にくい。
あとは問題ありません、ジーニアスが入っていないのがちょっともったいないけど、
モノクロ画面もきれいだし、オーソドックスながら良い辞書だと思います。
あと、以前のモデルに比べて音声はかなり良い。
福島原発事故後、実際に政府内に入って対応してきた人が、質問に答える形式で書いた本です。
「原発事故」という特定の内容がテーマですが、あらゆる立場のリーダーが身につけるべき思想や考え方がちりばめられていると思いました。また、リーダーだけでなく、「原発事故」を経験した私たち日本人が、思想や考え方を成熟させるヒントが書かれていると思います。
例えば、「原発事故」の被害を最小限に抑えること、あるいは今後「原発」をどのように取り扱っていくかについて、技術的なことを議論している場面をよく目にします。もちろん、技術的なことも重要ではありますが、本当に大切なこと(最大のリスク)は技術にあるのではなく、(本書に書いてあるように)「人的、組織的、制度的、文化的要因」にあるということがわかります。そして、そのような最大のリスクを乗り越えていくためには、私たちの「精神の成熟」が必要であるということが語られています。
「精神の成熟」とは、(本書では)「目に見えないものが見えること」とあります。「精神の成熟」と言うと、どうしてもあいまいな内容になってしまいがちだと思うのですが、本書では「原発事故」という具体的なテーマが主題であるため、そのことについても具体的に述べられています。「原発事故」の問題そのものが「目に見えないもの」であるため、それをどのように捉え、どのような姿勢で、どのように行動していくべきか、それらを通して、「精神の成熟」の具体的な事例が展開されていると言うべきでしょうか。
今まで先送りをして「未来の問題」と決めつけていたことで、本当は「現在の問題」であることが(原発以外にも)たくさんあるのではないかと思いました。「わからないこと」は自分にとって都合のいいように解釈して「未来の問題」と決めつけてみたり、都合の悪いことには目を背け続けたりする「未成熟の精神」から、本書で書かれているような「成熟の精神」で「現在の問題」を捉え、行動していくことによって、よりよい「未来」を実現していく機会が目の前にあるのではないかと実感しました。
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