本好きでも、一生のうちに出会えてよかったと思える本というのはなかなか見つからないと思います。そして、私にとってこの本は出会えてよかったと心から思える本です。 すばらしく世界観や設定がしっかりしているし、この小説の中では心に染みるセリフがたくさんでてくるのでかみ締めるように読んでいけます。 あなたも、この壮大なファンタジーの世界にのめりこむこと間違いなし!! まだ、これからこの小説を読む楽しみが残っている人がうらやましい。
李斎は西王母にすら叫ぶー天や天帝の存在があるなら、仁をしめせと唱えた者がどうして戴を見殺しにしておくのか、と。
「天」が存在する・しないにしろ何故貧しく日々苦しんでいる民や李斎のような人達を救わないのか?間違っているかもしれませんがそれは一度でも「天」のような存在が人間を助けてしまうと、人間は本来甘やかされると自分でするという努力を怠り、自分でできることでもそれに頼ってしまうから、ではないでしょうか?それに陽子のように胎果で現実世界のような助け合う精神があるなき無きに関わらず今回の麒麟達・王達同士が集い助け合うことでやり遂げられることで人間は協力ということができる。だから「天」はあえて要請のない王が他国に兵を連れて踏み込むと罪、にして自発的に学ばせるためかな、と私は思ったりもしています。
そういう話もさることながら今回は愉快な(?)麒麟達と王達がでてきたので面白かったです。まあ言わずとしれた氾王と氾麟。一体この強烈なキャラは何なんだ、とクスっと笑いました。それに振り回されるショウケイもチョイ役ですがよかった。陽子達の周りもお馴染みの人達に揃えられているし。泰麒も、、それは読んでのお楽しみです。
2001年から新刊がでていない状況でいつでるのかもわからない。この先あの2人の帰還の行く末を見てみたいのにそれができない歯痒さ。1、2ヶ月待てばいい世界ではないので読み返しをすることでやり過ごします、、、。なんだか未完の気配がするのですが。なかなか読み応えのある一冊でした。
上下巻まとめてレビュー けっこう怖いお話です。著者の本領であるホラー要素が織り込まれている。本作ではシリーズを通じた二つの大きな謎に迫ります。すなわち、載国で起きた変異と世界の謎。いずれも不気味かつ不可解に描かれており、読んでいて背筋が寒くなるのを覚えます。また、暗く陰鬱な物語でもあります。これはシリーズを通していえることではありますが。 一方、前作を経て信頼できる腹心を得た陽子を眺めるのは楽しい。彼女は臆することなく、自分の頭で考え、自分の道を逝こうとする。誰よりも純粋な彼女は、世界の不条理に挑戦し、不可視の流れにあらがい、そして変えていくことができる。そんな物語の重要なキーファクターにまで成長しています。しかし、そんな彼女にも魔の手が・・。
次々と周りで起きる不幸な事故によって忌み恐れられ、社会から、家族からも孤立する少年高里。 教育実習生の広瀬はそんな彼に、 「自分は周りとは違う。自分には帰るべき『別の世界』があるのだ」 と信じていた頃の自分を重ね合わせる。 親身になって接してくれる広瀬に、高里は信頼を寄せるようになる。 ここまででも十分楽しめる話ですが、この作品の不幸なところというか面白いところは、広瀬と違って高里には本当に帰るべき『別の世界』が存在するという点。 普通なら師弟の強い信頼関係を描いた美しい話となるところですが、そうはなりません。 ラストでは高里が自分の世界へと帰ることになります。 その場面での広瀬の言動が良い意味で期待通りです。 「なぜおまえにだけ帰る世界があるんだ」 このカタストロフにはゾクゾクしました。広瀬の感情に、僕と通じる面を見つけたからかもしれません。 この作品だけに言えることではありませんが、小野氏は人間の感情の暗い部分を描くのが非常に巧いです。 僕がこの作品を推す理由は、一人の登場人物への共感に他なりません。なので万人に自信を持ってオススメすることは出来ませんが、個人的にはと前置きを付けるならば、間違いなく傑作だと言えるでしょう。 独りよがりなレビュー申し訳ないです。
今回も美麗イラストには大満足です。
期待していたミニドラマCDに関しては、まさかの内容でした!
前回のように完全オリジナルストーリーだと思っていたら、
「おや?なんだかデジャブー…???」
原作小説を愛読している方なら分かります!
だって、李斎が片腕を失って命がけで虚海を渡ってくるあのシーンですよ。
景王陽子に願いを訴えるべく馳せ参じるあの場面です!
TVアニメでは描かれなかった原作エピソードなわけで、
アニメは好きで見てたけど、小説は読んでない方には嬉しい内容ではないでしょうか?
個人的には、TVアニメ化されなかった部分がドラマCDとして実現したことが大変うれしいです^^
やはり、声優さんたちのセリフが入ると躍動感がアップします'
反面、完全オリジナルストーリーを期待していた私としましては
原作で知っていた内容だったので、少し物足りなさも感じています^^;
ということで★4つ。
ちなみに、このミニドラマCDの続きはあるのかしら?
と気になるところで終ってます。
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