園子温は厄介な映画作家である。 彼の映画はどれも生々しくていかがわしい。誰もが持つ心の闇に押し入り、蹂躙されるような暴力性があるが、時に嫌悪感を感じながらも魅入ってしまう魅力がある。 「愛のむきだし」、「淋しい熱帯魚」と傑作を連打した後の今作は果たしてどうだったのか?
映画は、90年代、渋谷界隈のラブホテル街を舞台に実際起こった殺人事件をモチーフに撮られたと言う。 人気恋愛流行作家の貞淑な妻、大学に勤務しながら夜は娼婦として夜な夜な男を貪り続ける大学准教授、そして事件を担当する職務熱心ながら夫の同僚と不倫関係にある女刑事。 いかにもなステレオ・タイプの3人の女性たちによる剥き出しの性(さが)と淫乱ぶり。エロチシズムも優しさも激情も微塵も感じられない不毛の愛、否、性交。
愛とは破壊的であり、排他的なものでもある。映画の世界では、条理を超えた狂気の愛は今まで数多く描かれてきた。でも、今作で延々と映し出されているのは、愛でも恋でもなく、切なくもなく、刹那的ですらないただの性欲だ。 しかも、セックスの奥義を提示したものでもない。 他の園作品では残酷性の中にも情緒や情感が感じられたものだが、今作ではそれも感じられない。 どんなにエグくても剥き出しでもいいが、これはちょっと勘弁して欲しいと思った。 他のレビュアーの方々が喝破されているように、田村隆一の詩をキーワードにして文学的な解釈を付けようとするのも如何なものか。
日活が製作している事もあり、ロマン・ポルノとの類似性を挙げられる向きもある。 かって「四畳半襖の裏張り・しのび肌」で、神代辰巳は片桐夕子に「男と女はアレしかないんよ」と言わせたが、でも、ロマン・ポルノにはエロスの中にもっと情愛と切なさがあった。 “セックスに金を介在させる事が愛ではなく労働の対価になる”なんてテーマは、今から30年近く前に、泉じゅん主演のロマンポルノで描かれていたぞ。
主演の3人、特に富樫真と神楽坂恵の熱演には頭が下がったけど、公開時の不評ぶりが理解できる残念な一作。
少年漫画の疾走感で進む小説。
文章の配置やフォント、読み難いが、
媚ないとも受け取れる。
同著者の詩集「TOKYO GAGAGA]を思い出した。
訳者解説によると訳者の中条省平氏は『怪奇小説傑作集』を読んでいらしゃったそうで、(そちらも面白いです) 『怪奇小説傑作集』シリーズが好きな方なら、迷わずどうぞ でも、そんな風にジャンルを限定しては申し訳なく勿体無い! 一篇一篇が濃厚でスリリング。語り手の話にぐいぐい引き込まれます。 登場人物の強烈な個性にノックアウトされます。 (著者も相当、興味深い人のようです)
お馴染みGWAVEシリーズ、2008上半期版。
今回収録されているのは…
01 Lunatic Tears (Lass[11eyes-罪と罰と贖いの少女-])
02 風のように 炎のように (アリスソフト[超昂閃忍ハルカ])
03 みだれ髪 (アトリエかぐや TEAM HEARTBEAT[夏神])
04 熱情 (ライアーソフト[魔都拳侠傳マスクドシャンハイ])
05 摘まれし花の如く (BlackCyc[闇の声ZERO])
06 暗がり篭ノ鳥 (LAPIS BLUe.[BIFRONTE〜公界島奇譚〜])
07 ALBA (C:drive.[ステルラエクエス〜贖罪の姫騎士〜])
08 step by step (LOVERSOUL[LOVERSOULファンディスク〜恋魂詰〜])
09 クルクルlovely day!!! (フロントウイング[魔界天使ジブリール-episode3-])
10 マジカル☆ミラクル (しゃくなげ[プラゥヴ クルイード])
11 これからmemories (クロシェット[かみぱに!])
12 ゴールドバッハの恋愛予想 (light[さかしき人にみるこころ])
13 Party☆Party Time! (チュアブルソフト[Sugar+Spice!Party☆Party])
14 glitter (Whirlpool[MagusTale Infinity])
15 想いのカナタ (ゆずソフト[夏空カナタ])
16 Vision 〜雪の季節〜 (ブルームハンドル[こなゆき ふるり〜柚子原町カーリング部〜])
以上16曲です。Clochette始め今回初参加のブランドも。
ヴォーカルは珍しいアリスソフトも参加!(闘神3のも次回入るのかしらん…)
また今回のイラストはクロシェット原画家"しんたろー"氏!
是非各タイトル購入の足掛かりに。
どこまでも人間を信用しようとする善人と、どこまでも邪悪な人間の織りなす物語ですが、「何もそこまでかわいそうな目に遭わせなくても(これがサドの世界かもしれません)・・」と感じる話が多く、ハラハラしながら、また時に腹を立てながら、結局一話をノンストップで読み進めてしまいました。
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