他の人も書いてるので細かい事は省きますが、この本は1巻の続きです。
そして読み終わった後、間違いなく4巻が出るのが待ち遠しくなります。それほど面白いです。
少なくとも2巻目まではSROのキャラが目立ってましたが、この本からは完全に主役が1巻目の犯人である近藤房子になります。
背筋が凍る程の残忍さと頭の良さ、運の強さを持ち合わせていて、もしかしたら本当に教祖になれるかもしれません(笑)。
とにかくこのシリーズはキャラの立ち位置が明確であり、細かい事を考えずに一気に読破してしまいます。
面白い事は間違いないので、後は1巻から一気読みする事をオススメいたします。
本としてはロングインタビューが中心でほぼ全体が文字の構成です。口絵や絵コンテも一部ありますがビジュアル面は極めて少ないので文字を読む事が苦手な方には向かないかと思います。
インタビューとしては、氏の幼い〜子供の頃〜社会人、そしてアニメ業界関係へ携わってからの各作品の話で時系列的に進行。アニメ業界では主に東映動画と虫プロ在籍時代、マッドハウスとの制作作品。
今のアニメ業界ではデジタル化が進んで想像もしにくい部分もあると思いますが当時では、りんたろう氏の演出の発想はかなり大胆なアイディアやイメージがあった事も理解できます。
中でも私が成程と思えた話が美術の椋尾さんとのやりとりです。夏の風景で畦道にある砂利まで細かく描いてあるが、りんたろう氏は砂利はいらないという。理由は太陽の光でほとんど白く飛んで見えるといった感じで具体的なイメージがあった部分(他にもありますがココでは紹介しきれません)。
作品では「グランプリの鷹」物語路線の変更にも今更に納得。TV版「ハーロック」も製作状況は過酷でありながら、好きな要素も盛り込んだ作品であったようです。
劇場版「銀河鉄道999」は1作目でやりきり感があったので2作目は、あまり好んで監督をした作品で無い事も意外な事実…。ちなみに細田守監督は999劇場第2作がりんたろう作品No.1との話もあり、魅力内容を語っていました。
「幻魔大戦」での"大友克洋"起用や後の繋がり、「メトロポリス」等での手塚作品への想いも興味深いです。新作「よなよなペンギン」も、監督として独自の3D表現を目指した事も触れられています。 あと関係者コメント集や作画陣による、りんたろう似顔絵もGood。
私は内容は満足ですが定価が高い気味で、一つ減の☆4つ評価です。アニメ映像製作に興味を持ってる方の幅広い層に読んで感じてもらいたい本と思いますので定価はもう少し抑えて欲しかったですね。
序盤ワクワク。中盤だらだら。終盤最高! という感じでしょうか?
中盤がつまらなかったのは、ひとえに謙信のキャラ付けを間違えたのが原因だと思います。
戦上手でも政治下手。挙句の果てに、気まま我侭……武田信玄への言葉の暴力が半端じゃない。
「天地〇」の上杉謙信とは大幅にキャラクターが違います。
前巻で武田信玄と山本勘助が気に入った方は、不快感を感じるかもしれないので心積もりをしたうえで読んで下さい。
このシリーズは軍配者の話を各巻視点を変えて描いているのだと思っていましたが、最終巻を読んで確信しました。
作者さんは山本勘助の話を書きたかったのでしょう。
一巻〜三巻までずっと出ずっぱりなのは山本勘助だけでした。
冬之助の活躍が見たい方には少し残念な話となっていますが、それを差し引いてもそこそこに面白かったです。
新作はいつ出されるのでしょうか?早く新作を執筆して頂きたいです。
手塚治虫原作を元に大友克洋脚本、りんたろう監督で映画化したSFアニメ。
映像はそこそこです。
フィルムグレインは強めに処理されています。
明るいシーンではあまり気になりませんが、暗いシーンではノイジーに感じる事があるかもしれません。
フィルムライクな質感にはなっていますが、個人的には強すぎる印象。
シャープさは少し柔らかく弱めです。
アップのシーンは綺麗な輪郭が出ているのですが、細かい箇所はぼんやりしがち。
ひょっとしたらソースの解像度が足りてないのかもしれません。
そんな印象を受ける箇所が結構ありました。
暗部シーンはグレインの強さが気になるものの、破綻する箇所などありません。
色調豊かな箇所や動きある箇所も綺麗に再現できています。
常時高ビットレートを維持しており、このような箇所で破綻しないのはBDならではだと思います。
しかし、丁寧に再現されている分、CG箇所でのアラが見え隠れします。
当時としては画期的な映像でしたが今見るとチープな作りが、BDだからこそくっきりと見えてしまう。
画角はビスタサイズですが額縁気味になっています。
他のBDアニメと比べるとそこそこ綺麗な部類です。
再現性はさすがですが、全体的に解像度が足りてないような、一見してすごいという画質ではありません。
音は中々。
重低音は抑えめですが、しっかりと厚みのある音。
高音は大変よく出ており綺麗です。
ジャズのBGMが綺麗に出ている。
サラウンド感はそこまで強くありません。
セリフ部分は全体的にはクリアなのですが、一部で他の音と重なってしまい聞き取りにくさが残ります。
音質面でも再現性は十分かと思います。
内容は近未来ロボット世界を描いたSFアニメ。
近未来を描いているのですが、どこかレトロテイストのある世界観。
手塚治虫らしい未来世界が構築されています。
ストーリー的にはロボット社会での話なのですが、心理描写や緊迫感が不足している印象が強い。
アクションシーンや緊迫する展開など盛り込まれているのですが、全くドキドキするような緊迫感が伝わってこないのです。
演出が自分には合わなかったのかもしれません。
音楽にジャズを使っていて作品の雰囲気と合っているものの、そのような箇所でも同じ調子なので入り込めませんでした。
メリハリのある展開でも淡々と進んでいく感じです。
キャラクターはよく動きますし、CGを使った世界は目を見張るものがあります。
ただ、画質箇所でも述べたように今改めて見ると、少しCG箇所のアラが目立つのはご愛嬌。
ストーリーや展開はかなり好みなのですが、演出面がイマイチで面白くなくなってしまった惜しい作品です。
この演出が合うか合わないかで好みが別れる作品だと思います。
特典はHD画質で特報、予告のみ。
封入のブックレットは中々出来がよく満足できます。
画質/音質はBDらしさが伝わってきますので、あとは作品が合うかどうか。
昨夜第一作を久しぶりに鑑賞し、今夜は本作を鑑賞しました。40歳にして5回は観ている筈なのに同じ箇所でハンカチ濡らしてしまいました。
本作の中での台詞に「若い者には夢がある」「鉄郎は若さがある、だから怖い物がない。失敗しても立ち上がり続ければ最後には成功すると信じている。」「俺たちは若い奴の背中を押してやらなければならない。」といった若さを軸に置いた台詞が散見されます。
冒頭、いきなり美しい戦闘シーンから始まり「ターミネーター」を思わせる機械軍vs人間の映像が続きます。
人間の側がゲリラである点、圧倒的に不利で絶滅寸前である点、一人の年若きヒーロー(の一歩手前)が存在するなどターミネーターに共通する空気感があります。
その中でターミネーターより悲壮なのは相手が唯の機械ではなく身体を機械に換えた機械人間であり、つまり「人間対人間」の根絶戦争である点。
10分程度の消耗戦描写の後、傷を負ったパルチザンの一人が「ここに星野鉄郎は居るか?」と問いかけてきます。無言で駆け寄る鉄郎に「あんたが星野鉄郎か、確かに渡したからな。」とメッセージキーを手渡し息絶えます。
埋葬しメッセージをプレイすると前作のラストシーンをリフレインしながら「私はメーテル、鉄郎999に乗りなさい」と繰り返す。
彼には迷いはなかった。メガロポリスも破壊され駅も敵方に占拠され、何よりボロボロの施設に銀河鉄道など来ていない可能性の方が圧倒的に高い。
それでも「行く。」という鉄郎に最長老が「俺たちの息子が行こうって言ってるんだ、行かせてやろうじゃねえか。」
この台詞とこの後の流れだけで十分に泣けます。
機械で永遠の命を得ることが幸せではない。限りある命だからこそ意味がある。といったTVから前作に続くメッセージだけでなく様々な親子関係、友人、行きずりの恋など様々な要素が重なって「永遠の時を生きること」「永遠の旅をすること」が如何に幸せでないか。
決断は自分でしなければならないという人生訓を教えてくれます。
恐らく学生闘争現役世代であったろう松本零士なりの人生とは!という想いをこめた作品なのでしょう。
メーテル。10歳頃耳にし多分死ぬまで忘れられぬ初恋の女性のような存在です。
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