ファンタジックなだけのファミリー映画と思ったら、狼男に恋した一人の女性が、二人の間に生まれた「おおかみこども」を様々な葛藤を乗り越えて育て上げる物語には、ファンタジーとかラブストーリーとかエコロジーとかのジャンルを超えた、本質的な生命の循環と魂の絆が描かれており、それは時として衝撃的で厳しく、時として荘厳で美しいものでした。
冒頭のイメージシーンに漂う不思議な詩情、大学に通う花と狼男の“彼”が運命の出会いをし、二人の生活が繊細な描写で綴られる前半のシークエンスで、もうその愛おしさが伝わってきます。 狼と人間の二面性を持つ子供達の誕生から、アニメならではの人間ドラマを成立させたという点で凄い。 二つの世界に属する子供たちを抱えた花は、何時の日か二人が自立する時に、何方の世界も選べるようにと、森と人里の境界に位置する北アルプスの山深い地に移り住むことにします。そしてこの美しくも厳しい土地で、花は自らの手で畑を耕し、作物を作り、雪と雨を育ててゆく。いや、育つのは子供達だけではない。若くして母となった花もまた、土地の古老や同世代の母親達との触れ合いに助けられながら、二人の子供の育児を通して逞しく成長してゆくのです。 この辺りの描写は、嘗ての国民的人気ドラマ「北の国から」を思わせ、次第に大きくなってゆく子供達に、すっかり親目線になってしまいます。(笑) 本作が素晴らしいのは、最初は母である花の視点から人生を語り、やがて、姉弟が、おおかみとして生きるか、人間として生きるかの選択へと視点がスライドしていく点だ。幼い頃は、快活な野生児の雪と臆病な都会っ子の雨という、コントラストがはっきりしていた二人のキャラクターは、小学校時代になるとすっかり逆転。そして、人生の分岐となる大きなドラマが待っています。
他者との違いを受け入れる母の花が、「しっかり生きて!」と二人の生命力を肯定する言葉を授ける場面は、感動的でした。前作「サマーウォーズ」では、思春期の少年の淡い恋と大家族の絆を描いた細田守監督。本作ではファンタジーという形でしたが、家族愛を高らかに歌い上げるスタンスは変わらないですね。作品ごとにクオリティーが高くなってきて凄いです。
以前に柳楽優弥君の「シュガー&スパイス」を見ていて、もうひとつ同じ感じの作品があったので購入しました。各4話ごとに恋愛展開が違っていて「恋」っていいなあと思える作品です。どれもが恋する楽しさを表現しておりいい作品だと思います。各一話が少し短い展開でストーリーがすすんでいったのが残念でしたが、”恋愛”のいとしさが感じられました。4話では田中圭君が出演していたので特に興味深く見ました。「恋」のチューニングのむずかしさを軽いタッチでストーリーが制作されています。収録時間が短いので、レンタルで試聴してからの購入をおすすめします。夫婦になっても”恋愛心”は大切にしたいです。
放送前にはそれほど話題に上らなかったこの作品が何故今注目を集めるのか?
自分はその最たる理由が「演出の巧さ」にあると思います。
毎回話の引きかたが非常に絶妙で、原作を読んで先の展開を知っている自分でも寒気がするような締め方を見せてくれます。
また、音楽の使い方もひと昔前のハリウッドのパニック映画みたいで恐怖演出に一役買っています。
かなりグロテスクな展開が多いので好みの分かれる作品だとは思いますが、一度視聴する価値のある作品であると思います。
タイトルの文言は旧訳版の冒頭にある謝辞ですが、この新訳は旧訳と比べるとかなりちがった印象に仕上がっています。
大きく変わったのは主人公の印象で、旧訳では主人公がいかにもちゃきちゃきのカウボーイという感じでしたが、新訳ではおとなしめになっている様に思います。なんというか、かなり丸くなってますね。
また、ねこの気持ちがルビ付きで表されているのも新訳の特徴です。例えば、「ナァーウ?(いーまあ)」、「ナァーウ!(すーぐ)」という風にです。旧訳ではルビはなく読者が読み解く様になっていましたが、もし旧訳にルビを振るとしたら「ナァーウ?(今すぐか)」、「ニャアウ!(よし行こう)」といった調子になるのではないかと思います。
新訳本は旧訳を知っているとなかなか馴染めない場合も多いのですが、この本に関してはそういったことはなく、違いを楽しみながら読むことができました。新・旧どちらが良いかと問われると、読み慣れていることもあり私は旧訳が好みですが、やはり旧訳の歯切れの良い会話や独特のテンポは捨てがたいものがあります。
新訳を読んでこの作品のファンになった方は、旧訳も読んでみてはいかがでしょうか。またちがった夏への扉が見つかると思いますよ。
最近の傾向として、洋画の吹き替えやアニメの声を俳優や女優にやらせることが多いが、私はそれには反対です。
今回の「仲里依紗」とかいう女優も顔はかわいいかも知れないが声はくすんでこもった声で主人公の魅力は半減です。
なので1点減点させてもらいました。
あと裏ワザとして、日本のアニメをアメリカの本家のアマゾンで買うと送料込みでも安く買えます。
この作品は「The Girl Who Leapt Through Time」という名前で34.99ドルで売っています。
送料込みでも4000円程度で買えます。(1ドル82円程度として)
しかも元々日本の作品なので日本語と英語の両方の音声が入っています。(日本語の字幕はない場合が多いです。)
英語を勉強したいアニメファンにはなおおすすめです。
ただ欠点としては日本で発売される作品の全てがアメリカで発売されるわけではないことと、日本で発売されてからアメリカで発売されるまでにかなりの日数がかかることでしょうか。
あとリージョンコードにも注意が必要です。
ブルーレイの場合は北米と日本のリージョンコードは同じなので問題ありませんが、DVDの場合はリージョンコードが違うので普通では再生できません。
ご参考までに。
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