今作は、一番恋愛色の強い巻だと思います。ノリコとイザ-クの互いの気持ちと、今自分が置かれている状況との葛藤がそれぞれよく雰囲気が出ています。両方の言い分に納得がいくし、互いが本当に相手のことを考慮していることにとてもせつなくなります。「好き」ということがどういうことなのか、考えさせられました。 内容は、ノリコの告白の場面から始まり、ノリコが攫われイザ-クが危機的状況になる場面までですので、告白の行方を知るためにも次巻も絶対買いですね。
前作に引き続き始まる今作。ノリコが攫われ、イザ-クはとうとうみんなの前で天上鬼へと変貌してしまう。捕らわれたノリコはそんなイザ-クの様子を見て、暴走を止めようと駆け寄る。そして二人の気持ちは・・・。 イザ-クはノリコの為に、ノリコはイザ-クの為に見返りなど求めずに何かしてあげたいと思う気持ちがとてもあたたかいです。同時に運命はあくまでも予定であって、未定なのだと前向きに考え始める二人の姿は見習うべきものがあります。運命をそのまま受け入れてしまえば、それは自分が自分である意味がなくなってしまうのだと深く考えさせられました。 二人が二人でいる意味、それはそれぞれがそれぞれであること。ノリコはイザ-クの側にいると決め、またイザ-クも・・・。お互いがお互いでなければ、側にいる必要がなくなってしまう、逆に言えば互いがそれだけ必要な存在だということ、こんな関係は理想ですね。現代は、自分が自分であろうというよりも先に、周囲を気にしすぎているような気がします。自分の出来る事をすればいいのだと気付けなくなっています、そんな時この作品を聞いてみてください。
最近、この漫画を知って文庫で集めてみることにしました。 とっっってもおもしろいですよ!! この巻では、イザークを想うノリコの気持ちが痛いほどに伝わってきます。 また、ノリコを想いつつも、言い出すことのできないイザーク。 なのに、イザークの口から出る言葉は彼女を悲しませてしまう言葉ばかり…。 あぁ、せつない!でも、このせつなさがまたなんとも言えません!! 恋愛要素のシーンだけではなく、戦いのシーンもすごいです。 息つく間もなく次々といろんなことが起こるので、もう最後のページまで目が離せません。 4巻が楽しみです。早く次が読みたい!早く4巻出ないかなぁ。 (いっそのこと単行本で集めちゃおうかなー、なんて思ってます。)
千津美と藤臣君は本当に良いカップル。藤臣君の優しさが素敵です。 千津美のドジっぷりが笑えます。 昭和のマンガですが、平成になっても違和感なく読めます。
ビックリの最終巻でした。著者さんはご家族の病気等、大変なご心労を抱えてこの作品を最終話まで運んだようです。お疲れ様でした。
最初から濃厚な「魔境」に入っている世界ではありませんから、唖然とする程あっけない終わり方という印象もありません。それなりにまとまっています。画面は前巻に引き続き幾分省エネ画法に見えますが、底は割っていません。これがひかわきょうこさんですね。長いキャリアで、上値は追わないが、底値を割ることも決してない。ペニーストックには絶対にならない。堅実企業の多年にわたる良心的経営を拝見するような。
という訳で、相変わらず平和でほのぼの、作者さんの「業」を感じさせない、可愛らしい世界として終了して良かったのではないでしょうか。善男善女がみんなを救う、というテーマですが、意外にファンタジーでもないかもしれません。アナタやワタシが善男善女ではないからといって、彼ら・彼女らがこの世にいないということにはならないし、善男善女は世界は救わないだろうが壊しもしない訳で。
蛇足ですが、小エッセイの中の「最近しみじみ『日本』が好きだと思うようになった」という作者さんの言葉が印象的で、自分が果たして「日本」を好きかと考えてしまいました(答えは出ませんでした)。続編があるようですが、終盤でヒーローとヒロインは夫婦になってるんですかしら?続編でも二人が初々しい男女のままだとしたらフシギ世界になりません?「あんたたちひとつ屋根の下に暮らしててさー」と突っ込みが入りそう。それはそれで愉快な突っ込みなので、今後も清純派の善男善女世界を楽しみにしています。
|