傑作刑事ドラマ第2弾。
前作と比べて、こちらはフィルムっぽさが残っており、所々汚れも目立つ。
音声はDTS-HDMAですこぶる良いが、元々派手な音がないので、銃声音などで音の良さを確認できるくらい。
特典は、フランケンハイマー監督の軌跡をドキュメンタリータッチで収録してあり、大変興味深い。
フレンチ・コネクションI・IIをセットにしたブルーレイディスクBOXを購入。
フレンチ・コネクション・ブルーレイ・ディスクBOX (2008/12/17)
Version: Japan (FOX)
(FRENCH CONNECTION II)
MPEG-4 AVC BD-50
Running time: 120 mins
Sound: DTS-HD Master Audio 5.1 (English), DD 5.1 (Japanese) (計約99分収録)
Subtitle: Japanese, English
Special Features: ミュージック・トラック/フランケンハイマー監督の軌跡を振り返る/ジーン・ハックマン インタビュー/オリジナル劇場予告編/スティル・ギャラリー(2種)
[FXXA-23106]
すでに1と2のボックスセット盤ブルーレイ商品を買っているのでレビューでも書かせていただいているが、本ブルーレイは赤系のにじみがやはり気になる。それでも通常版DVDよりは劇場で見たときの色に近い(通常DVDは色が濃すぎる。この映画は劇場ではこんなに色は濃くなかった)。 やはりこのブルーレイ盤の色滲みはどうにも気になっていたが、原因が今頃になってわかった。 最近、初めて2枚組特別版の方の特典ディスクに入っている特典を今頃になって見たら、フリードキンがその原因を作っていたことがわかったのだ。 フリードキンはテレシネ技術者と一緒になって、実に変なことをやっている。 最初に色を全部抜いたモノクロの画像をつくり、そこに今度はカラー情報だけを取り出したものをわざわざ淡くしてかぶせる、などという奇特なことをやっておる。「パステル調を出したかった」などと盛んにのたまうているが、おいおい本作はパステル調じゃないぜ。 色を感じさせないリアルな映像と、パステル調というのはちょっとニュアンスが違うのじゃないか。 そんな人工的な加工をしたものだから、赤系などの色温度が高い色が滲んでしまっているわけだ。 何か、色滲みはフィルムにもともとあったものだ、なんてもっともらしいことを書いていたレビュアーもいたが、ちゃんと劇場で見たのかよ。 ニューマスターの北米盤は現段階では未購入だが、本作の撮影監督だったオーエン・ロイズマンがテレシネにちゃんと立ち会ったらしく、期待ができるものになっているはず。 日本版も是非、出してもらいたい、とFOXジャパンさんにリクエストをしておく。
ダーティ・ハリーと人気を二分したポパイ刑事のシリーズ2作目。 というか、ある意味途中で終わった話の後編。
一般には総合すると前作の方がずっと評価が高いようで、 それは最初だからインパクトもあっただろうし、 アカデミー賞を取ったということもあるだろうから、まあそんなものだろうが、 中にはあとの方がいいという人も少なくはない印象を受ける。 やはり前作から続いていた話がまとまって気分がいいということもあるだろう。 私自身も、前作よりこちらが好きだ。
今度はマルセイユまで乗り込んでの主犯探しである。 それは実はポパイをおとりにして、という部長らのいわば陰謀な訳で、 その皮肉さというか辛さもいい。 それを呪わずに、ただ自分がアホなのだ、といいながら、ひたすら執念で犯人を捜し続けるポパイもいい。 要するに陰謀だろうが何だろうが、彼にとっては直接に犯人を捜すのが性に合っているだろう。
そうはいってもフランス。 言葉が通じないとか、現地の警察に邪魔にされるとか、大変だが、 そんなものにめげずにひたすら追い続ける執念がいい。 その辛さがいじらしい一方で笑えるし、 しんどそうでもありながら、まるで気にしていないようなタフさも感じられて、 その笑いとペーソス、弱さと強さの絡み合いが絶妙だ(バーテンにおごって一緒に酔っ払うところがいい)。
最後は絶体絶命のところまで追い込まれるが、 最後はポパイの執念とめちゃくちゃさの集大成、という感じで、 いきなりドンと来ていきなり終わる。 唸る終わり方だった。
首になるかもしれないが、そんなことはどうでもいいというポパイ流の正義の貫き方が壮快だ。 これではまる人は必ずいるはずで、ファンが出来るだろう。 たしか映画監督の井筒和幸さんもそんなことを言っていた。 要するに愛される映画、という感じ。 面白かった。
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