本作品は二期になりその演出手法に嫌悪感を示す声も散見するようになったが
そんなものは織り込み済みだと云わんばかりの動的姿勢が清々しい。
原作は元々圧倒的に言語で魅せる(視覚的にも勿論魅力的)作品なので
昨今顕著な描写や行間を読めないという理解力不足から来る問題が他作品と比較して
少ない事は利点。それだけに原作をそのままなぞっただけであったら
対象者やただテレビを見ている畑違いのクレーマーの餌食になった事は想像に難くない。
(TV放映とDVDで仕様が異なる話があるのも無理もない)
人間批判・社会批判をネタとして成立させる作風は原作で完成しているが
テクスチャー、文字の挿入、レイアウト、カメラワークに特徴のある
シャフト的・新房演出との相乗効果によって本作を他に類を見ないものとしている。
構成の小黒、東両氏の存在も大きい。
中盤を越えこれからも何か奇抜な事をやるだろう、というある種の予定調和を裏切り
アニメの表現手法を惜しみなく披露した第七話「津軽通信教育」。
原作巻末の小ネタ「リリキュア」のストーリー化や第九話の「絶望ファイト」等
パロディも高度に安定していて面白い。
またこの第三集収録ではないが原作最新刊のネタが早くも再現されている。
アニメ制作陣にも看過できなかったであろう「一見の條件」や「痴人のアリ」が。
商業の常として数字が出ても様々な弊害が生じるが、それでもこの作品が受けている
状況に安堵する。絶望の先に微かな光を見た。
第四話:
「路傍の絵師」
「恥ずかしい本ばかり読んできました」
(臼井影郎の日記 春一番卷)
(第四回「路傍ノ絵師」ノ「本筋以外ノ話」ヲノーカットデオ届ケシマス)
「薄めの夏」
第五話:
「文化系図」
「私はその人を常に残りものと呼んでいた」
「恩着せの彼方に」
(臼井影郎ノ日記 「オ見舞イノ卷」)
第六話:
「君知りたもうことなかれ」
「夢無し芳一の話」
「隱蔽卒」
この三話で、私的に印象が一番深いのは第四話です。
本当に独創的なのですね、重点はどちなのか、分からなくなりましたよ!
ストーリーの設定は極めて独特なのだと思います!
第五話は…どうでもいいや、「恩着せの彼方に」でなかなか勉強になりましたけどね…
第六話は本当に人を奮いおこすの一話でしょう?
「隱蔽卒」で、声優さんたちが互いのキャラを演じることは私的の最大の観所です。
キャラと演じる声優さんたちは:
糸色望:神谷浩史、水島大宙、杉田智和、上田陽司、沢城みゆき、真田アサミ、小林ゆう、野中藍、新谷良子
日塔奈美:新谷良子、矢島晶子、松来未祐
木村カエレ:井上喜久子、杉田智和
木津千里:小林ゆう、新谷良子、真田アサミ
マ太郎:谷井あすか
糸色交:松来未祐
藤吉晴美:矢島晶子
常月まとい:野中藍
小節あびる:谷井あすか
糸色倫:後藤邑子
風浦可符香:井上麻里奈、井上喜久子
それで、最後の時田、父の糸色大などは、全部神谷浩史さんが演じました。
それに、芽留役は斎藤千和さんが演じるってことは、初めて公開させたんですね。
あっ、そうだ…このレビューも、本筋について言った感想じゃありませんね…
反省するの同時に、絶望した…本筋に注目させないこの三話に絶望した…
Ps:第五話から、新EDテーマ曲の「マリオネット」があります。
CDシングルの発売を期待しましょうね!
俗・さよなら絶望先生のOP・EDを収録したCD。「空想ルンバ」は昭和歌謡・ロック・ジャズ要素も匂わせるハードナンバー。大槻ケンヂのボーカルは言うまでもなく、絶望少女達の合いの手、可符香のように一見ミスマッチな可愛い声さえも逆にカオスな雰囲気を盛り上げている。個人的にはアウトロのラララが心地よくて好き。 カップリング「恋路ロマネスク」も作品にぴったりで、非常にアニメへのこだわりが見える。GSっぽいメロディー、私は蒼い糸〜からの流れが特に懐かしい感じがしてグッとくる。
大槻ケンヂの書く詞には感情のこもった物語がある。文才に長け、もともと根っからのバンドマンでなかったからこそ、言葉に宿る力が大きいのかもしれない。そこに隠れている真実とメッセージは温いポップスに溺れた日本人の核心に食らい付く。 そういった意味でもこの歌は素晴らしい。 値段なんて付けるもんじゃない。
『さよなら絶望先生』で使われているサウンドはどれも、少しもの悲しく素朴で、視聴時
気に入っていたので、僕は文句なしに☆を5つ付けます。
聴いていると、つぎつぎに脳裏のスクリーンに使われたときのカットが映っていきます。
注目なのは、第2話Cパートで使用された軍歌っぽい歌曲「完璧艦隊の歌」
、第9話で放送された「絶望先生えかきうた」「絶望音頭」
第1話で可符香が歌った「トロイメライ」がフルバージョンで収録されてます。
なかでも「トロイメライ」は奈美が言っていたように、たしかに「不安定になる」恐ろしい歌です。
また、OP「空想ルンバ」、メインED「マリオネット」、サブED「恋路ロマネスク」
「オマモリ」4曲がそれぞれTVサイズで収録。
「各曲好きだけど、TVサイズで十分だな。サウンドトラックも欲しいんだけど、全部揃えるのは…」という方には、すでに発売されている「空想ルンバ」「マリオネット」2つCD購入するのと同じ値段なので、こちらのサウンドトラックを購入されては如何でしょう?
俗・絶望先生のエンディングでこの曲を聴き、その心地よいポッ プな音楽と「ティーチャーズペット、先生のペット」という意味深な 歌詞の続きが気になって購入しました。 早速聞いてみましたが、やはりずっとリピートにしていてもかま わない、心地の良さを感じました。また、2番目には短いですが、 絶望少女達(小森霧、常月まとい、マリア、小節あびる、藤吉晴美 )のソロパートもあり、可愛らしかったです。 気になっていた2番目の歌詞も、番組の印象を伴った意味深なも のでしたが、そういった少しアブノーマルさのある歌詞も意識し ていなければ全く感じさせないあたりにこの曲のすごさがあるの かもしれませんし、心地良い曲の中に見え隠れるアブノーマルさ がこの曲の怖さなのかもしれません。 c/wには、絶望少女達(風浦可符香、木津千里、木村カエレ、日 塔奈美)の歌う、「オマモリ」が収録されています。こちらは、ポ ップなマリオネットとはがらりと雰囲気を変え、「絶世美人」のよ うなロマン歌謡風のつくりとなっています。サブ・エンディング主 題歌とのことなので、この歌にどのような絵がつくのかも楽しみに していたいと思います。
|