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惑星ソラリス [DVD]

故タルコフスキー監督は「映像の詩人」とも称された旧ソ連最高の映画人のひとり。その彼が1972年に撮った「惑星ソラリス」はSF映画の金字塔とよくいわれますが、「スターウオーズ」に代表されるいわゆるスペースオペラものとは完全に一線を画した作品です。

静寂の宇宙世界。“ソラリスの海”の力で実現してしまった、主人公と、死んだ妻との再会。それは本来ありえるはずのない、永続するはずもない、限りなくせつなく、哀しい、愛の邂逅。科学者としての責務と、「妻」とのあいだでゆれる主人公の苦悩。。。

これは珠玉のヒューマンドラマなのです。人間の悲しさを静かに凝視するタルコフスキー監督の視線と、静かなる情熱が伝わってくるかのようです。日本では公開当時、この映画世界のなかの「未来社会」としてつかわれた首都高速のシーンが話題にもなりました。「2001年宇宙の旅」と並び称された、SFを題材とした映画作品の金字塔、最高傑作のひとつといってよいとおもいます。

ソラリス (特別編) [DVD]

映像と音にひたってきました。

ソヴェト映画の「歴史性」の完備（これは、タテヨコともにです。個人の歴史と人類＝社会の歴史と。）の傾向とは異なり、宇宙空間の存在と実体化した人形の反逆に代表される「ドラマ性」の重視が成功していました。博士が男性から女性に変わっていたのも、面白かったです。

また、音に圧倒されるのです。サントラを購入して確認して、映画とは別種の印象があったのも良かったです。