ラテンに学ぶ幸せな生き方 (講談社プラスアルファ新書)
この本の帯を最初に見たとき、格差社会を肯定しているみたいでちょっと引いたが、読んでみるとかなり違う内容だった。
要するに、格差社会や貧困の中でも、人間的な繋がりを保つことによって、建設的に生きているラテンアメリカの人々の現状と、一方で、自殺率の異常に高い日本の状況を、その目からウロコ的な原因を呈示し、(すぐに実現可能かどうかは別として)ラテン的見地からの提言をしている。
自分自身、とても閉塞感を感じる日々だったので、とても参考になったし、日本人にとってぜひ読むべき一冊だと思う。
キューバ音楽(増補新版)
「サトウキビと野球の国、キューバ」。日本ではあまり知られていないこの国において、「音楽」は“世界戦略商品”だった。(主にヨーロッパ向け)
キューバの複雑な成り立ちからその音楽性を語っているこの本は、“キューバ文化”の入門書としては、読みやすくてよいと思います。
残念なのは、「本」と言う紙メディアのため、その「音」や「動き」(グルーブ感)を伝えられず、どうも読んでいると欲求不満になる。これを聞きたければこのアルバム、とか、この場所、といった、サポート記事があるとよかったと思う。一応、巻末で「音符」を使った解説があり、何とか“伝えよう”という意欲は感じられるのだが…。
「ソン」「ダンソン」「フィーリン」はどう違うんだ?!
これを読んで何かを感じたら、もう後はキューバに行くしかないね。
リアルタイムメディアが動かす社会: 市民運動・世論形成・ジャーナリズムの新たな地平
本書は、毎回、講師が代わる形で進行するオムニバス形式の大学の講義を
まとめたものだそうだ。講師の方々は、ジャーナリズムの世界等で第一線で
活躍されているようだが、正直、自分は知らない人がほとんどだった。
とはいえ、内容は素晴らしかった。
「リアルタイム・メディアが動かす社会」というのは講義の名称のようだが、
twitterやfacebookがジャーナリズムの現場等でどのように活用されているのか、
それによってどのように世の中を変えているのか、ということが、
講師の方々のたくさんの事例で非常によくわかり、とにかく面白かった。
こういった講義をライブで受けられる大学生が本当にうらやましい。
講義録の形式になっており、非常に読みやすい点もよかった。
オススメの一冊です。