それから [VHS]
小さな声をややうわずらせた一言の中に藤谷美和子は
悲しみ、恥じらい、喜び、ためらいといった万感の想いを表現し、
そして観客にはこの台詞だけで二人の関係がどういうものであるか、美千代がどういう女性であるかを伝えてみせた。
こころ (新潮文庫)
学校の授業で『こころ』に出会いました。
夏目漱石といえば『我が輩は猫である』や『坊ちゃん』しか知らなかった私ですが、
彼の作品がここまで深いものだとは思ってもいませんでした!(☆0☆)
・・・若い頃に人間のエゴイズムを身をもって知り、利己的なものを嫌悪するように
なった「先生」。
しかし、親友を裏切ったことで自分の中にも潜む利己性に気づき、「先生」は生きる
希望を失います。
けれど、辛い人生を生きていくのも親友に対する償いと考え、また、愛する妻を悲し
ませたくないために自殺を思いとどまっている・・・そんな時、「先生」は一人の純
朴で明るい若者に出会うのです。
「死ぬ前に一人でいいから人を信じたい」
人間は利己的な生き物だと知りながらも、人を信じたいとおもっている「先生」の気
持ちは強く胸に響きます。
確かに文体は堅いし、難しい漢字も多いけれど、「人間の心の奥底っていうのは明治
も今も同じなんだなぁ」と共感出来ました。
・・・読んだ後、少しものの見方が変わるような一冊でした☆
こころ
小さい頃あるラジオドラマが好きだった。当時も今も音声ドラマはマイナーなジャンルだが
文字・視覚で吸収した物語が記憶されるように、音・聴覚を頼りに紡がれる物語もまた独特の面白さと心地良さがある。
音のみで具体的に動き始める登場人物たちは、映像の強要がない分自分の想像に任され、より身近に感じる。
「こころ」を読んだのはもうずっと以前、細かい部分は忘れたが、読み返さずに休前日の夜ゆったりと聴いてみた。
古い日本語で語られた物語は、新しい「こころ」として「先生」の遺書を中心に始まり、そして終わる。
時代性とはいえ高等遊民・知識人たる先生の恋の苦悩や回想は一歩引いてしまうほど歪んでいる。
最初に登場する先生と私の声、その響きが意外にも力強い。
原作の通り、話のキーパーソンはK。両者とも、落ち着いた深みのある声で淡々と語る。「私」は少し表現力が弱いかなと思ったが、芯が強く、けれど控えめな空気感がこの「私」の青年像にとてもよく合っていた。
先生が吐露する言葉、彼らの想いが交錯する様を、緻密な感情表現によって丁寧に場面は流れていく。その結末は、小説の読後の鬱な余韻に上書きされることなく、哀しくもきっぱりと閉じる。
良い作品はそれなりに消耗するようで、終了後そのまま眠ってしまった。また繰り返し何度でも聴きたい。
同じ製作元から年内中に「銀河鉄道の夜」が出るそうだ。本作よりずっと好きな作品なだけにとても嬉しい。次回作も期待。
それから [DVD]
以前古いバージョン同じDVDを買いましたがこの新しいバージョンの表紙の方がキレイ、勿論 昔買ったLaser-Diskの表紙はもっとキレイ…
この映画には画面はとってもきれいだし、藤谷美和子様「三千代役」はとっても優雅な日本女性らしい、松田優作様も本当に事業家(お金持ち)の息子らしい。
NHKにほんごであそぼCD「百」~たっぷりうたづくし~
幼稚園の子のために購入しましたが、中学のお姉ちゃんの国語の暗唱に役立ちました。
小さい子は耳から自然と覚えるのでちょっと気付いたときにかけておくと中学生になった時にすんなり出てくるかも・・・?
テンポも良いので以外と楽しみながら聞いていますよ。