父の詫び状 <新装版> (文春文庫)
「優しい」が取柄の父が誉めそやされる昨今、本書には昭和の厳しいが憎めない「父」がありありと描かれています。そんな父をたて、子供に愛を注ぐ母、実はそんな母の手の中で転がされている父。あったかい向田家の家族が生き生きとあふれている書です。
さりげない日常も向田邦子の手にかかれば、こんなにもドラマチックに書けるんだぁ〜と感嘆しました。
航空機事故で急逝した著者。本書の中に、飛行機墜落を恐れる話が二回ほど登場したのも何かの因果でしょうか。胸が痛みました。
イントロデューシング
向田邦子さんが愛聴していたことで有名なアルバム
やっとCD化されました
なんと気持ちの落ち着く声なんだろうかと思う
“声”も音のひとつなので
自分にとって心地よい音質というものが声に対してもあるわけで
この人の声は私の中でとても心地良いものでした
向田さんは3曲目のSpring is here に対して
“水羊羹を食べるときに一番合う”
と言われているので、是非水羊羹とともに聴いてみたいものです。
このアルバムを聴くと向田さんの佇まいも浮かんできます。
源氏物語 [DVD]
お姫さまもお妃さまも独身でも既婚でも、世の女性はみんな光の君を愛しちゃう!
ん?光の君ってまんまジュリーだわ!!
お妃さまって、義理のママよ、これパパの女よ。パパって国王なのよ。
うわわ、大罪よ!!
だけどあなたが光の君にジュリーに、全てを承知の上で愛されたと思ってごらんなさいまし。
地獄の底への道行きもジュリーが相手なら望むところでしょう。
大罪も甘んじて受け入れますね。
ため息が出るジュリーの美しさが日本古典名作の世界へと誘います。
古典と侮るなかれ。なんせ「ジュリーの君」です。
もう戻れない、愛の世界♪ジュリーワールド☆☆☆
いざ!どっぷりと溺れようではありませんか。
長い、見辛いとのお声もあるようですが、そこは時間を忘れ思いっきり溺れ楽しみましょうよ。
ジュリーに溺れるなんて幸せ!願ったり叶ったりではありませぬか、のお。
あなたのご期待は裏切りません。
待ってました!古典風上品味付けにての、えろえろビームにえろえろオーラ、大炸裂の満開花吹雪のジュリーでございます。
さあオーダー、オーダー。迷わずともよからずよ。ええい、買っちゃえ!
・・・ジュリーなんだもの、紫式部も本望でしょうね。
隣りの女 [VHS]
向田邦子脚本による単発2時間ドラマです。
アパートの隣同士に住んでいる主婦(桃井かおり)と水商売の女(浅丘ルリ子)が対照的に描かれています。
桃井かおりがミシンを踏んで内職していると、隣室から浅丘ルリ子と愛人・根津甚八の睦言が聞こえてきます。桃井かおりが壁に耳を当てて聞く二人のやりとりが、映像は無いのに何ともエロティックです。ここだけでテレビドラマ史に残る作品と呼ぶにふさわしいと思います。
後半、舞台がニューヨークに移って意外な展開を見せますが、終わった後も印象が強烈なのは、生活臭漂う前半のアパートの場面でした。