忘れられた日本人 (岩波文庫)
無名の人たちに光をあてたすばらしい作品集
歩いて集めた語り部たちの話
それにしても江戸末期や明治期とは、平民の暮らしはおもったよりもおおらかであっけらかんとしていたのだなあとおもった。
飢饉や一揆といった農民の苦労話がないのがむしろふしぎなくらいだ。
出羽ノ鷹狩 Hawking in Dewa [DVD]
ここに収められているのは,
東北地方の農民がかつて冬場の生活手段として行っていた鷹狩りで,
唯一の後継者である松原英俊その人によるものだ。
野生のクマタカは,最初から人の腕などにとまりはしない。
光に馴らし,人に馴らし,そして狩りに馴らしていく調教の過程は,
現代に生きる私たちからすると,気の遠くなるような忍耐そのものだ。
だがしかし,放たれた矢のように野ウサギめがけて襲い掛かるクマタカの精悍さ,
その本能の激しさは,そんな私たちの心をもどこか熱くさせる。
インタビュー編は少々退屈だが,当時を知る専門家の話から,
生活の中に鷹狩りが息づいていた時代が実際にあったことを実感できる。
鷹狩り編の一部はYou TubeにCMがある。
また,制作会社であるEFPのウェブサイトでは,野生動物の良質な動画を観ることができる。
昔話の深層 ユング心理学とグリム童話 (講談社プラスアルファ文庫)
本書の始まり、第1章・第1節のタイトルは「昔話には魂がこめられている」。なんでそんなことがいえるのか、と冒頭から疑問を感じたけれども、著者はユング派の立場から、人間の心の普遍性<普遍的無意識・元型>につながるものが、多くの人に受け入れられ、時代を超えて存在し続けるのだ、というふうに説明する。
ここで読み解かれるのは、『ヘンデルとグレーテル』や『いばら姫』、『黄金の鳥』などグリム童話数篇。グレートマザーや、アニマ、トリックスターといった元型の概念を用いた読み解きのほか、物語に出てくる数字の意味なども説明されている。
読み終わる頃には、例えば村上春樹の作品なんかも、バラバラになるまで解釈してみたくなってくるのだけれど、それを見越してか、著者は昔話の読み解きを始める前に、フォン・フランツの言葉を引用している。「いかなる昔話の解釈もその昔話以上に出ることはできないのである」。
ことわざ絵本
五味さんの絵がユニークで子供は繰り返し読んで
かなりことわざを覚えました。
味のあるイラストが大人でも楽しめる魅力的となっています。
ただ書き文字がかなり崩れた文字で小学2年の息子には読みづらく
ひらがなでもここなんて書いてあるの?と聞かれたりします。
あとページ右にことわざの説明、左に五味さんが書かれた参考事例的な
内容になっているのですが、そちらの内容がいまいちわかりづらい
ように感じました。
ミステリー民俗学者 八雲樹 DVD-BOX
作品としては、ミステリーとしても
民俗学のお話としても、どっちつかずに思われたので
星を一つマイナスした。
しかしながら、エンターテイナー・及川光博の
俳優としての幅広さには驚かされる。
この「八雲樹」でのとぼけっぷりは、おかしく、
チャーミングでさえある。「白い巨塔」での彼が
冷徹な弁護士だったのを忘れてしまうほどだ。
もうひとつ言うなら、毎回登場する「美女」たちよりも、
話によっては、及川光博と平山あやのコンビの方が
キレイだったと思っている。まあ、主演なのでそんなものか。