花の魔法使いマリーベル DVD-BOX【初回限定生産】
この作品は、92年に放映されたアニメですが、実は「クレヨンしんちゃん」が放映される前の2月に放映は始まってました。「クレヨンしんちゃん」に出演した小桜エツ子さんもこの作品にゲスト出演していて、佐藤智恵さんも出演しました。
きまぐれロボット (角川文庫)
著者と題名を認識して星新一氏のショートショートを読んだのはこれが初めてですが,面白い。裏表紙に書かれている通り,正しく大人と子供のための童話です。本書に収録されている35編の作品は大体が3~4頁程度でありながら,読後はニヤリとさせられます。これはぜひ,子供の枕元で読み聞かせてやりたくなります。
1編あたりの文章量の制約から,発明家のエフ博士と大金持ちのアール氏,泥棒といったように登場人物の数とお互いの関係は日本昔話並みに簡略化されており,成されたことに自然と焦点が合います。多くの作品では,博士の発明品を利用して楽に何かを得ようとした金持ちや泥棒が失敗する,あるいは,偶然や誰かの勘違いから思いがけない幸運を授かるというストーリーになっています。この勧善懲悪でない世界観,楽をしようとしてもそうは問屋が卸さない世界観,幸運ですらその人の努力云々ではなく偶然にすぎないという世界観,いずれも秀逸で賛同します。
個人的に特に印象に残った作品を挙げます。『へんな怪獣(P. 155)』で宇宙人が地球人に贈り物をする理由を「みなさんは,まず話しあいをなさろうとし,それがだめでも親切に食べ物をくださった。しかし,むちゃなあばれかたをはじめると,平和をまもるために勇敢に戦おうとなさった。すべて合格です(P. 158)」と説明しました。世の中に理不尽なことはありますが,時として誰かの意図の下に理不尽が生じていることは事実です。『花とひみつ(P. 144)』では枯れかかっている花が急に元気になったり,種も蒔かないのに花が現れたりする秘密を某国の研究所が命令を誤解して開発した機械モグラのためだとしています。「私たちの目にふれることはない。世界じゅうに五百匹では,あまりにめだたない数なのだ(P. 149)」という設定は思わずムフフと想像力を膨らませます。
ぜひ,お手元に置いておくことを勧めたい本です。