誰か Somebody (カッパノベルス)
あまり、ミステリー小説を読む方ではない。宮部みゆきは「理由」を読んで以来である。
昨年の中日新聞の連載小説で、この続編となる「名もなき毒」がなかなか面白く、前編にも興味をもったのが読むきっかけである。
ストーリーの設定がユニークで、展開も素晴らしいと思う。単なる犯人探しや謎解きに終わっていない。
主人公の目が実にリアルで、心理描写があたかも自分が現実に遭遇しているかのような錯覚に囚われてしまう。そして、まんまと思惑通りにミステリーの罠にはめられてしまう。
ただ、宮部みゆきという作家の特色であろうが、人間の心の闇を、悪魔的なものを、これでもかと毒々しいまでに書こうとする。
ストーリーは紹介したくないが、この小説では、事故の被害者の家族で、相談者である二人の姉妹が、結末で手のひら返したように主人公に毒づくのは読んでいてやりきれないし、後味があまりに悪すぎる。
実践ASPエンジニアのためのASP.NETビルドアップテキスト
「本書は、すでに世にある技術書とは異なる。単なるリファレンス本でもない。」と「はじめに」に書かれた文章に意気込みを感じる。「ビルドアップテキスト」という名前のとおり、さらに上級へ進むためのステップアップを目指す人向けのテキストだ。ASPからASP.NETへの移行をテーマにしているが、ASP.NETから始めた人にとってもお勧めする。現役プログラマーの持つノウハウが惜しげもなく披露されており、各章末にあるコラムも歯切れがよくていい。