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梅村蓉子 残菊物語 [DVD]

美しい、かなしい、なつかしい、の3要素が詰まっている映画です。日本映画の興隆期に生まれた最高傑作のひとつでしょう。情感に満ちて余韻ゆたかな画面の展開に引き込まれてしまいます。何度でも繰り返しみたい作品です。失われた時代、失われた世界、失われた人の心、情愛、やさしさのすべてがここにあります。日本人のこころのふるさと、といっていい。日本人のこころが帰っていく先がこの映画の中にあります。見終わって「ああ、わたしたちはやっぱり日本人なんだ・・・」と共感しあうことのできる作品です。溝口健二がいてくれてよかった。「残菊物語」を残してくれただけであなたは日本人の心のふるさとを思い出させてくれる。これから先も、この作品が見られる限り。 残菊物語 [DVD] 関連情報

梅村蓉子 あの頃映画 松竹DVDコレクション 残菊物語

溝口監督の映画を語る時に良く使われる「徹底したリアリズム」って言葉がぴったりと当てはまる1939年の作品。ワンシーン、ワンカットを確立した作品でもあるそうだが、ここで描かれる物語は歌舞伎役者と身分の低い女性とのありきたりの愛情物語ではあるのだが、まるで実際に起こっている事実を見ているがの如くのリアリティー溢れる映像が僕の心を揺さぶる。例えで言うと、悲しいシーンの場合、役者の涙を流した顔のアップを撮って説明的なセリフを言わせて悲しさを誘うような何処にでもあるような演出とは全く違い、ロングショットの長回しでおこっている事実だけを淡々とフィルムに焼き付け、その完璧なセットと共に相乗効果を生んで、まるでその場に居合わせているような錯覚を起こさせる映像マジックによって悲しさを伝える手法だ。約70年前の作品だが、今観ても決して古くなっていない斬新な映像美が堪能できる映画だと思う。1936年の「祇園の姉妹」に負けないくらいの大傑作だと思った。 あの頃映画 松竹DVDコレクション 残菊物語 関連情報

梅村蓉子 あの頃映画 松竹DVDコレクション 祇園の姉妹

溝口健二作品は学生時代に数本見たが、良さがまったくわからなかった。それが歳を重ね、改めて見直す度に、その底知れぬ才能にただただ驚くばかり。戦後の作品に「雨月物語」や「山椒大夫」などの傑作もあるが、結構、ピントのずれた駄作もある。当初はそんな戦後の作品から見始めたのだが、昭和11年制作の本作を見た時には、ひっくり返った。もう映画として、これ以上ないほどの完成度。そんな時代はまだ映画も発達途上だと思っていたし、将来の傑作を生むつぼみはあると思っていたが、戦後の作品群よりも、はるかに完成度は高く、同時代の欧米作品をはるかに凌駕しているし、もう現在の映画以上に完璧な映画として完成されている。むしろ、今の映画など足元にも及ばない出来映えだ。戦後作品よりも、まだ若く、才気にあふれ、映画で何ができるのか、徹底的に追求する意欲が、画面の隅々からあふれ出ている。後にヨーロッパ映画界に多大な影響を与えたのも当然。この当時のすべえの映画を見たわけじゃないけれど、おそらく昭和11年(1936年)の時点では、全世界でベスト1と言いたいぐらいである。 あの頃映画 松竹DVDコレクション 祇園の姉妹 関連情報




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