ウォール街 [VHS]
経済の中心地ウォール街、野心に燃え一攫千金夢見るまだまだ若造証券マンのバド(チャーリー・シーン)、カリスマ成金富豪のゲッコー(マイケル・ダグラス)、非情なまでのマネーゲームがスリリングに展開するサクセスストーリーにわくわくっ。栄光と挫折、束の間の夢、親子の絆。バドの父親役にマーティン・シーンがなかなかいい感じ、親父と息子っていいな~、実生活でもチャーリーは父親のマーティンに世話になりっぱなし(尻ぬぐいともいうべきか…)らしいが、本当にいいお父さんじゃないか~と感動しちゃった。ゲッコー役のマイケル・ダグラスはやり手の男をエネルギッシュに決めている、ファッションもばっちり!「ジュエルに気をつけろ」のあんな男を演るとはこの時は想像もしなかった。
史上最大のボロ儲け ジョン・ポールソンはいかにしてウォール街を出し抜いたか
米サブプライムローンバブルを検証する本は既にたくさん出ているが、どれも投資銀行の経営者やFRBなど、誰かを悪者に見立てようとする傾向がある。本書はバブル崩壊に逆張りしたヘッジファンドのトップを主人公に据えてはいるものの、決してその成功の安易な賞賛や、彼らのカウンターにいたリーマンやメリルといった投資銀行をこき下ろしに走るわけでもなく淡々と述べ、またポールソン同じポジションを取ったにもかかわらずさんざんな目にあった投資家たちも同時に登場させることで、2000年代の金融という産業がどのような場所であったかを、克明かつ俯瞰的に描くことに成功している。
興味深いのは、サブプライム金融危機にかかわったプレーヤーたちに善悪の線引きなどできるものではなく、「誰も悪くなかったが誰もが少しずつ悪者」であったことが明らかにされていることだろう。ポールソンは確かに逆張りで史上最高の収益を稼ぎ出した。しかしその収益は投資銀行にゴミのようなジャンク債を詰め込んだCDOをわざわざ組成させ、そのCDSをポールソンが買って「収益を上げさせてやる」ことによって雪だるま化したものだ。つまりポールソン自身もバブルの発生とその盛大な崩壊のマッチポンプ役をかって出なかったわけではないのである。また、彼を含む主要プレーヤーの多くがHBS出身者であることも、同様に興味深い。米国のメディアにおいて「ビジネススクール出身者が牛耳る〜」といったお決まりの批判が上がるとき、それは明確にHBSを槍玉に挙げているのだということがはっきりと分かる。では、諸悪の根源はHBSなのか?否。彼らとて、ただ単に学生にファイナンスの手法を教えただけである。誰もが悪くない。だが、誰もが少しずつその巨大なカタストロフィーに手を貸していた。
この本のもう1つの魅力は、複雑で難解に思える最新の金融商品の仕組みや技術を驚くほど分かりやすく解説してあることだ(CDOやCDSといった仕組み債に関するこの本の解説のわかりやすさは、恐らく筆者がポールソン自身から解説をたっぷり聞かされたことによるものだろう)。金融についてはまったくの素人だという人にとっても、2000年代の金融業界とは何だったのかを理解し、俯瞰的に振り返るための良き杖となるだろう。
ウォール街 (特別編) [DVD]
マイケル・ダグラスの中年ぷりが、ゲッコーにぴったり当てはまった快作。
これはゲッコー演じるマイケル・ダグラスがいないと成り立たなかった作品だと思います。
いつでも目をギラギラさせて人を見通したような目つきをして、汗ばんでいる姿が
只者ではない存在感を醸し出しています。オーラぷんぷんです。
彼は主人公のバドに、金融業界で生き残るための術を教えます。
利用されたとバドは言いますが、ゲッコーが悪者に見えないのは、
ゲッコーもまたライバルに欺かれ、やってやり返されのマネーゲームを楽しんでいるからだと思います。
その思いは純粋です。ただ楽しみ、強者が勝つゲームを、
自分のリスクを覚悟して挑んでおり、それが自分の生き方だと受け止めているからです。
バドはゲッコーに憧れますが、自分はゲッコーになれないと悟ります。
それはゲッコーとは間逆の父親の影響があるからです。
父親もまた、自分の立場や役割をしっかり受け止め、
自分なりの生き方をまっすぐ貫いています。
父親演じるマーティン・シーンは、主人公チャーリー・シーンの実の父親なので、
演技に説得力があります。
病院のシーンやバドが父親にどなるシーンなんて、
演技にリアルさが加わって、観てる方も胸につまります。
特に病院のシーン、泣けました。
チャーリー・シーンはこの時代、売れっ子のイケメン俳優だったのですね。
この青二才の役を、フレッシュに演じているのが新鮮でした。
続編はゲッコーの相手役をシャイア・ラブーフが演じますが、
この対決も楽しみです!
予告編を観ただけですが、
20年後、出所したゲッコーは、年をとったのにも関わらず、
なんだか昔よりますます目がギラついて、存在感も圧倒的に増したように思います。
目力が凄い…!
まだ続編の映画を観ていないので、早く観たいです!
映画を観たい方、とりあえず前作を必ず復習してから観に行きましょう!
Random Walk Down Wall Street: The Time-Tested Strategy for Successful Investing
この本を初めて知ったのはもう20年以上前のことだろうか。それもそのはずで、第1版が出版されたのが1973年だと言う。
改めて目にしたのは去年のことだった。初めはおもしろかったら良いな、くらいの気持ちでは日本語で読んでいたのだが、余りにも鋭い内容に圧倒されて、それなら英語で挑戦してみよう、と途中で原書に変更した、と言うのが真実である。
John Bogle、Charles Ellis、そしてこのBurton Malkiel、と言ったらアメリカだけでなく、世界に冠たるインデクス・ファンドの創始者たち、と言うことになるだろう。今やキャピタル、フィデリティ、と並ぶ投資信託の大手となったVanguardだが、1976年にこの会社が始めた‘S&P500のインデクス・ファンド’は「インデクスと同じ成績を狙うなんてプロフェッショナルの仕事じゃない」とフィデリティから揶揄されたらしい。しかし現在ではこの‘S&P500のインデクス・ファンド’は全体で11兆円を超える世界最大の投資信託の一つとなった。
この本を読むまではテクニカル・アナリストを軽蔑していたのだが、ファンダメンタル・アナリストも大したことがないのだな、と言う事を認識させられた。そう、記憶に新しいハイテク・バブルの時にはファンダメンタル・アナリストが跳梁跋扈したのだった。そして彼らがサルと余り変わらない能力の持ち主だ、と言う事が最後に証明されたのだった。新聞やTVに出ているエコノミストやアナリストの予想がどのくらい当てにならないか、改めて列挙するまでもないだろう。そのうえ、どの株が上がるか的中させてみろ、と言われたら殆どの連中が逃げ出すことになるのではないか。
この本は言うまでもなく、金融業界で働く人間にとっても、またこれから投資を始めよう、と言う人にとっても有益な本だろう。アメリカ合衆国、と言う唯一のスーパーパワーが自分たちの失敗を中国や中東の資金を調達しないと穴埋めできなくなっている、と言う現実に直面すると、アメリカやヨーロッパ、日本等の先進国の株式しか組み入れていない投資信託よりも、新興国をも含めた世界中の株式をトラックする安価なインデクス・ファンドが誕生しないかな、と期待しているのは私だけだろうか……。
世紀の相場師ジェシー・リバモア (海外シリーズ)
やっと復刊されたんですね。
素直に嬉しいです。
巻末のピボタルポイントの解説をずっと読みたくて、古本屋など探していました。
ユーズドでとんでもない値段が付いていたので、買うのを躊躇していましたが、やっと復刊されて入手できました。
「欲望と幻想」にはガッカリさせられましたが、「世紀の相場師」はなかなかいいです。