聖者の行進 (創元SF文庫)
アシモフのSF短編集。
一番面白い話はやはり映画「アンドリューNDR114」の原作、「バイセンテニアル・マン」。映画はこの話が元になっていますが、僕はこの原作小説の方がずっと好きです。原作小説には恋愛的な話はありませんが、一人のロボットが「人間になる」事だけを望み、努力するストーリーが純粋に楽しめます。僕は映画よりも感動的なストーリーだと思います。
そのほか、「女の直観」はスーザン・カルヴィン博士が登場するロボットもの。女性型の知能を持った新型ロボットに関して起きた事件を、カルヴィン博士の推理が鮮やかに解決します。あまり読者が推理できる形式ではありませんが推理小説的で面白いです。
映画に使えるような小説を書いてくれと言う依頼に対して書いたと言う「ウォータークラップ」も、内容的に少し地味で映画になる事は無かったようですがつまらなくは無いです。一つの海底都市がテロリストによって壊滅させられようとしている危機を知恵の力で救うクライマックスは印象的です。
他にも「心にかけられたる者」「天国の異邦人」などのロボット物も収録されていて、ロボットものの小説が好きな人にもお勧めの一冊です。
ベスト・クラシック100
ヘンデルに始まりヘンデルに終わる、というだけで、この編集者がイギリス人であることが知れるようなものですが、シューマン、リスト、ブラームス、ワグナー、ブルックナー、ラヴェル、バルトーク、ストラヴィンスキーといった著名な作曲家の作品が1曲も含まれていないことからしても、単なる「有名曲の寄せ集め」ではないことがわかります。それは、ある一定の「気分」に沿って、まるでクラブ系DJの感覚のように、全体の流れや統一感を重視し慎重に選択された見事な選曲だと思います。
つまり、この企画者は、初心者向けとかカタログとかいうことではなく(結果的にそうなることがあったとしても)、基本的には現代の生活におけるクラシック音楽の「新しい楽しみ方」を提案しているということだと思われ、そのことに強く共感します。
したがって収録された楽曲は「クラシックを代表する名曲」というようなものとは明らかに違った基準で選択されていて、その9割以上がオーケストラ曲またはオーケストラ伴奏曲です。器楽曲、小編成の室内楽、ピアノ伴奏曲などはたまにアクセント的に置かれているだけで、たとえばピアノ独奏曲はベートーヴェンとドビュッシーの計2曲しか無く、ショパンもサティもありません。また、全体の3分の1が声楽曲ということも特徴的だと思います。
やや保守的/良識的な解釈の多いEMI音源というも、こうした企画には良かったのかもしれません。1960年代の録音も少なからず含まれますが、演奏と録音が一級品であることに間違いはありません。全体のちょうど4分の1、25曲が楽曲あるいは楽章の一部分を抜粋したトラックですが、それも決して安易なフェイドイン/フェイドアウトではなく、音楽的な見識の確かさを思わせる編集で、原曲を知らなければそれが抜粋であることすらわからないくらい、個人的には不自然さを感じませんでした。
いまだに教養主義的な感覚から聞き手の方で勝手に敷居を高くしているような所もあるクラシック音楽ですが、このコンピレーションの「軽やかな豊かさ」は、もっと自由な新しい楽しみ方を提案しているように思われます。BGMにも良し、カーオーディオで聞くも良し、iPodでシャッフルするも良し。良い時代になったものです。
100曲モーツァルト =10枚10時間3000円=
モーツァルトの作品の魅力は“聞くより聴く”の方が早いと思うし、何方にも必ずどこがで耳にした事がある作品が一曲は収録されていると思うので、持っておいて損はないと思う。細かい話で恐縮だが、この“10枚10時間”というのは単純計算1枚1時間となるが、これはどのディスクも超えていたので、そこにもお買い得感を感じられると思う。あと、それぞれのディスクがテーマ別に選曲されており(1映画2頭すっきり3おはようモーツァルト4おやすみ5仕事がはかどる6ほっと一息7ドライヴ8癒し9親子で楽しむ10マタニティ)、それぞれの気分…シチュエーション…によって、聴き手を取り巻く時間の流れを演出してくれると思う。モーツァルトに興味のある人のみならず、クラシック入門者にも聴きやすい編集がなされており、手元に置いておいて損はない作品集だと思う。様々な観点からモーツァルトが注目される昨今、この作品集であなたも時間を彩ってみてはいかがですか?
聖者の行進(2) [VHS]
何が差別なのか。何が普通なのか。
このドラマを観てその問いに詰まらされる。
賛否両論のあったこのドラマでは「バカ」「使えねえ」「こんなヤツ」など、差別用語ギリギリの台詞が飛び交い、耳が痛い。
しかし、この言葉を発する者が己の言葉通りの人間であることがわかる。
いしだ壱成、松本恵の表現がうまく、何ができるかではなく、相手に対し何が残せるかということが描かれている。
かわいそうだとかそんな次元で観ているだけではいけない作品と感じた。
聖者の行進 (幻冬舎文庫)
DVDで聖者の行進を観てからこの本を読んだ
内容に同ドラマとズレは殆どなく、忠実に内容が描かれている
99%の台詞はドラマと合っているが、1%の細かい部分で
表現が違っていたが、ドラマに沿ってそのまま書き下ろされている感じだ
聖者の行進の内容はDVDで確認していただきたいので割愛する事にしました