真田幸村 (文春文庫―柴錬立川文庫)
現存している歴史資料において、全てを正確にするのは不可能だ。
特に、その時々の心の動きは書き手の想像力に頼るしかない。
柴田錬三郎さんは、その想像が素晴らしい。
柴田さん自身が登場人物になりきっている。
「自分が真田幸村ならこんなことも考える」
そんな可能性を最大限に追求している。
豊臣秀頼が、海外に逃亡し、外国で王になっていたらどうな
るか?
私自身も、その大きな可能性に魅せられ読みふけってしまいました。
風神の門 (上) (新潮文庫)
昭和36年6月から37年4月まで日刊紙に連載された新聞小説である。5月にサンケイ新聞社を退社した直後に連載を開始した。長編としては「梟の城(33年)」「上方武士道(35年)」「風の武士(35年)」「戦雲の夢(35年)」に続く5作目にあたる。
時代は1614年、大阪の役。主人公は伊賀の忍者、霧隠才蔵。真田幸村に仕えて徳川方と戦った真田十勇士のひとりである。実在の人物ではないが、猿飛佐助とともに明治大正期の立川文庫で人気キャラとして定着した。
司馬は本作の連載に際してこんな一文を寄せている。
「小説が百万人に読まれるためには、筋が面白くなければならない。また、長く読まれ続けるためにはそこに、作者の考える人生の真実がこめられていなければならないと思っている。(中略)時代小説とは、男の魅力を書くための小説形式で、作者の楽しみもそこにある。主人公と、それをとりまく群像の中に、読者にうったえるだけの魅力がにじみ出れば、これ以上のうれしさはない。」
言葉にたがわず、ここまでの長編5作の中では筋の面白さはいちばんだ。スピード、アップダウン、お色気、どれをとっても娯楽性は抜群である。たとえていえば、イアン・フレミングのジェームズボンドシリーズと同質の面白さだ。大阪の役といえば、権謀術数渦巻く裏切りと不信と不安の暗い時代だが、本作にはそうした暗さがない。からっと乾いていて、あくまで明るい。さしたる悩みもない。ただただ強く、かっこよく、そしてスケベである。
逆に言えば、霧隠才蔵の人間的深みはいまひとつ伝わらない。司馬のいう「人生の真実」がこめられたかどうかは正直疑問だが、ジェームズボンドに思想性を求める馬鹿もないだろうから、それはそれでよいのである。本作はそのようにして楽しまれることをお勧めしたい。
BRAVE10 2巻 (MFコミックス)
とてもおもしろいです。
が、かなりファンタジー色や日本神話色が強いです。
本格歴史漫画を期待してはいけません。
その分キャラクターも、技もはじけてていい味出していると思います。(好き嫌いは分かれるかもしれませんが)
十勇士はもちろん伊達軍も良いです。家康は少々弱い感じが……。徳川軍も重要な役なんですが……。
真田幸村軍と伊達軍が好きなら楽しめると思います。
服装も実物(と普通に感じるもの)にはかなり遠いですが、似合ってるし。
真田十勇士自体、江戸時代〜大正時代に作られた実在しない集団(十勇士の中には実在する人もいますが)と言われていますし、面白おかしく作られたフィックションなので、こんなのもありだと思います。
ぜひ娯楽ものとして楽しんでください。