懐かしい曲ばかりだけど、古びていないものも多い。 それにどれを聞いても、その人が歌っているテレビ画面も一緒に思い出される。いろいろ忙しかったはずなのに、結構テレビを見ていたんだなあ。それも、大抵の人が同じ番組を見ていた気がする……。 カラオケでガンガン歌いたくなるアップテンポな曲が多く、この頃の日本はまだずいぶん元気だったんだなあ、と思わされる。
高度経済成長期のサラリーマンの悲喜交々を、飄々とした散文で描いた作品です。 昭和というとなにか懐かしい響きですが、この作品は1962年に発表されたものなので 実に半世紀の時を経ていることになります。 そろそろ古典小説と呼んでも大袈裟ではないかもしれませんね。
現在の視点で読むと言葉遣いや慣用句など、 資料を参照しないと理解できない箇所がちらほら見えます。 「バクダン」「カストリ」など、 これらの単語の意味がわかる人はかなり少なくなってきたのではないでしょうか。 50年間における日本文学の語彙の変遷を調べるという読み方も可能でしょう。
一方で現在の社会情勢においても通用する、するどい描写も多いです。
198頁「立身出世なんか、つまらない。出世なんかしたくない、と口に出していう社員がいる。 どうもこれは一般の風潮らしい。しかし、口に出していう社員をみると だいたい出世する能力を欠いているか、そもそもヤル気がないかどちらかである。」
200頁「35歳の江分利と30歳の連中とは、どこか少しちがう。30歳の連中と25歳までの新人たちにも 気質的に断層がある。若い人たちは、よくもわるくも自己中心的である。」
同じく200頁「大企業となるとどうなるか。(中略)立身出世は入社と同時に決まってしまうのではないか。 仕事をして出世するのではなく相手を蹴落とすような具合になるのではないか。 社員の気質を知らないで、噂やデータだけで配置転換が行われるようになるのではないか。 社員はますます自己中心的になるのではないか。」 などなど、現在の組織にもそのまま当てはまるような問題が 半世紀前からすでに指摘されていたのだと思うと、驚きを隠せません。
軽い文体とテンポの良い展開で優れた構成力を持つ作品ですが 内容は決して軽い場面ばかりではありません。 戦前、戦中、戦後と激動の社会を駆け抜けた昭和ヒト桁生まれ(1925-35年生まれ) の生き様には、大いに学び、楽しませてくれる力が秘められています。
「文豪」というタイトルからも、夏目漱石の表紙からも、なんだか古臭いイメージを持って読み始めたんだけど、そんなことはない。古いものから新しいものまで、文房具の魅力がギッシリと詰まったMOOKだ。
目玉は、夏目漱石を初めとした、文豪たちが使っていた万年筆の紹介。確かに、この点から言えば、古い、ノスタルジックな記事かなって思わせるけど、読んでみると決して懐古主義一辺倒ではない。文房具の一つとしてiPhone、iPad、MacBookなどのAPPLEの製品まで取り上げているし(佐々木俊尚氏のAPPLEとクラウドの組み合わせの記事は良かった。)、アナログの文房具も最新のモノの紹介も怠らない。非常に良くできたMOOKだと思う。
文房具好きなら、読んで損のない内容だ。
巻頭では、夢枕獏のインタビューもあり、なぎら健壱の文房具屋めぐりの記事まであるし、実用から趣味の世界まで、文房具の楽しさ、魅力が伝わってくる。
特に面白かったのは、「匠の文具術」と題して、プロ10人の文房具の使い方を紹介した記事。違いはあれど、プロたるものアナログ、デジタルを問わず文房具というツールを使いこなしている。参考になった。
劇場公開時の興行成績は製作者にとって満足できるものではなかっただろうが、今日観賞すると、不思議に色褪せたという感じがしない。映像技法としての面白さが随所に感じられる。原作「江分利満氏の優雅な生活」(新潮文庫)を読んだとき、この作品をどう映画化したのだろうという興味が尽きなかったが、いい意味で見事に裏切ってくれた。山口瞳や梶山季之も、こっそり出演している。待望のDVD化。
事件によって記憶を失ってしまった蘭を、命をかけて犯人から守ろうとするコナンの勇気には感動させられます!それにコナンだけでなく、周りのみんなからも守られている蘭は幸せだと思います。個人的にはシリーズ中最も好きな作品です。この作品を観れば人から愛されることがどんなに素晴らしいかわかりますよ!!
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