本書が目指すものは、「仏教の実践である瞑想を拠り所としながら、幸福、愛、知恵へと導いてくれる神経の回路を明らかにし、満足感や親切心、心の平安などを生み出す神経回路をいかにすれば活性化できるかを、最新の脳科学の知見に基づいて明らかにし、実際の手法と一緒に提示すること(p.15〜16)」というものである。『瞑想する脳科学』(永沢哲著)や『瞑想脳を拓く』(有田秀穂、井上ウィマラ共著)も同様なアプローチであるが、物質的な脳が感情や心や意識を生み出しているという前提に立つ限り、核心には迫れない。さらに、瞑想は仏教に限らず、様々な宗教における実践手段として行われている。釈尊が指導された真の瞑想はそれらの瞑想と違うことを知る必要がある。
釈尊は凡夫が聖者(四沙門果)になるための修行法として八正道に代表される三十七菩提分法を指導された。以外に知られていないが、感覚的な貪りや怒りが消えるのは第三段階の聖者であるアナゴン(不還)であり、第一段階の聖者であるシュダオン(預流)は感じ方や考え方が驚異的に柔軟になるのであって、感覚的な貪りや怒りは消滅していない。第二段階の聖者であるシダゴン(一来)で感覚的な貪りや怒りが弱められるのである。だから凡夫には、シュダオンと凡夫は区別できないはずである。もちろん、シュダオンには分かる。上記した菩提分法の最初が「四念処法」という基本訓練法である。それは誰もが知っている瞑想から始まるが、やがて脳を変えるのである。凡夫の脳OSをDOSとすれば、四念処法の実践と共に脳OSはWindows7に入れ替わるようなものである。
四念処法は、故ブッダダーサ比丘が推奨したパーリ相応部経典の『Anapanasati Sutta』(出入息念経)で実践するのが良い。後世の付加もなく必要十分な実践内容が正確に記載されている。出入息の瞑想から始まるが、出入息が呼吸であるのは第一段階の身念処の前半だけであり、身念処の後半はプラナー(氣の出入り)制御が出入息となる。また、第二段階の受念処では感情の去来(という出入り)から喜・楽を選択し、第三段階の心念処では心の生滅(という出入り)に幸福感・充実感を観察することが出入息である。最後の法念処では非二元性の意識の受容と二元性の意識の解放(という出入り)を強化(増進)することが出入息となる。驚いたことに、チャネリングで有名なバシャールの最新刊『Bashar Gold』は、四念処法と同じ内容を現代人向けに極めて分かりやすく解説している。
実際に四念処法を実践すれば、脳の何が変わるかが実感できる。それは記憶方法である。日常生活で自分の身体・感情・心・意識のバランスをしっかりと記憶できなければ、何も変わらないのである。『いつまでもデブと思うなよ』(岡田斗司夫著)が参考になる。そこには自分を変えることが出来ない段階のメモ記録が、やがて脳の思考方法を変える経緯が紹介されている。ブッダの脳とは驚異的な記憶方法が支えているのである。
ヴァルベの巣の三星系でバルディオクの具象が仕掛けた巧妙な罠の術中に嵌まり敵の手の内を掴めぬままに大苦戦を強いられるテラ戦士達の戦いを描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第409巻。本巻の執筆者は芸達者な両雄の競演エーヴェルスとクナイフェルです。地球が迷い込んだガヌール銀河に到達してからのローダン一行は超越知性体バルディオクとの戦いに於いて小陛下を打倒し順調に勝利を収めて来ましたが、ここに来て具象が猛反撃を開始しテラ陣営の気づかぬ内に完璧な包囲網を完成して追い詰める《ソル》にとって絶望的に思える最悪のピンチとなりました。 『悪の黒幕』H.G.エーヴェルス著:最後の巣星系の惑星ワシトイルから失踪した3人のソラナーの行方を追って宇宙漫才師コンビのタッチャーとロルヴィクが第二の巣星系の惑星コリエトへと派遣される。本編では相変わらずデブのロルヴィクがタッチャーを痛烈に罵倒しまくる何時ものペースで始まりますが、やがてヴァルベ人に同行のソラナー二人が留守を預かる搭載艇を攻撃破壊されてのんびりムードが一変し、重力魔術師の住居内部の迷宮世界では勝手が解らずに迷走します。今回は「もしや分子変形能力者との再会?」と思えた一幕では笑えますが、彼らが最後まで実力を発揮できず空回りばかりなのが非常に残念です。『重力ハッチ』ハンス・クナイフェル著:惑星ワシトイルから退去を勧告されたローダン一行だったが、次に一転してヴァルベ人惑星管理者から種族の巣星系へと招かれる。急な態度の変化を怪しんで反対するアトランに対しローダンは招きに応じる態度を貫き選抜隊と共にコルベットで彼らの案内する惑星バイトゥインへと向かう。本編ではこれまでフォルツ作品にしか出番のなかった猫男ブジョを登場させたのが新鮮な試みで評価出来ますが、反面グッキーが全く出て来ないのはとても寂しいです。気配も全然ないのでもしかするとテラでブリーと一緒なのかも知れませんが、こんな大事な時なのですから何とかして駆けつけて来て欲しいです。今回はヴァルベ人夫婦の穏やかな挿話が心を和ませますが、それ以外は徹底して不安感と暗澹たる気分に支配される物語で、重力喪失者の謎の驚くべき真相には恐怖と同時にどうしようもない悲しみが込み上げて来ました。そしてラスト近くのローダン、アラスカ、ブジョ、ラングルの四人に迫る恐ろしい危機がもたらす運命には一切触れず非情に幕を閉じる不確かな結末に心配でたまらなくなり胸が締めつけられました。 本巻の翻訳者、嶋田洋一氏のあとがきは散々悩んで本書後半の訳題「重力ハッチ」に辿り着いたご苦労の経緯を詳細に解説されています。近頃では記憶にない程のこの暗く重苦しくのしかかる不安感を吹き飛ばしてくれる起死回生の逆転のドラマが次巻で読めるのか?陽気なユーモアの復活と共にぜひ期待したいと思います。
「人生にはいろんなつながりがあるんだ。 でもその中でずっと続いたとしても一つか二つなんだよ。」 「本当に好きになったら手放さないで。 心の支えになってくれるのはそんな人だから。」 とハンソンはMMM BOPで歌っています。 私にとって、ハンソンの音楽はまさしくその存在と言えます。 人でも音楽でも趣味でもなんでもそうだと思いますが、 ずっと続けられる関係って本当にわずかですよね。 出会っては消えていくのがほとんどです。残念だけど。 毎年、いろんなバンドが新しい音楽を生み出すけど、 その中で好きなバンドもたくさんあるけど、 ずっと好きでいられるバンドってそうないと思います。 きっと、皆さんにもそんなバンドがあると思います。 もし、まだ出会ってなければ、ぜひハンソンを聴いてください。 ハンソンを知らない人生なんて本当に勿体無いから!!
これだけ続くとダレて来るのが普通ですが、BONESはこのシーズン6が一番面白かったかも知れない。何事も自然科学的アプローチでバッサリ切ってしまうテンペランス・ブレナンですが、切れ味は相変わらずながらも人間的な葛藤が見え隠れするようになってその辺が上手に表現されてます。一つ一つの事件についてはそう変化は見られませんが、出てくる人間模様が上手くまとまっている感じがします。毎回変わるアシスタントも面白いです。それとこうしちゃったのねという結末が???僕はいい結末をスタッフは選択したと思っております。あと22話のヴィンセントが亡くなってしまうのは寂しかったですね。面白いキャラクターだったのに。なんで死なすんや。
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