父親に捧げたゴスペル盤や企画盤を除くと、94年の「Resurrection」以来実に18年振り、通算27作目となるボビー・ウーマックの新作。ここで 彼は自らのしゃがれ声を無機質なビート・音響処理と掛け合せ、キャリア50年を経過した今自らの音楽をまたも大胆に更新している。
前作発表後シーンの最前線からしばらく遠のいていたウーマックだが、ゴリラズが10年に発表した「Plastic Beach」へのゲスト参加が表舞台 復帰のきっかけとなる。その後英インディ・レーベルXLと契約した彼が送り出す久々の新作は、レーベルの経営陣の一人リチャード・ラッセル とゴリラズのデーモン・アルバーンとの共同プロデュース。彼らがウーマックに与えた音は往年の生ソウルサウンドではなく、極めて現代的で 無機質な打ち込み音、ウーマックのしゃがれ声と対極とも言える要素を大胆に衝突させ、従来の作品には無い奇妙な面白さを産む。
「Understanding」を始めとする彼の往年の名盤群を愛聴してきたファンが本作をどう捉えるのか非常に興味深いが、当然強い反発を感じる向 きもあるだろう。私も当初大いに戸惑ったリスナーの一人だが、トラックを細部まで辿るにつれ、ウーマックの声が映えるよう余白を十分とったト ラック構成、声と打ち込み音を結びつけるピアノ・女声・ギターといったもののセンスある配置など、歌を押し出した創りの巧さが見えて来た。
例えばタイトル・トラック。冒頭ウーマックの絶唱と弦楽器の二重奏から始まり、このまましんみりした雰囲気で曲が続くのかと思いきや、20秒を 過ぎた辺りで突然挿入される乾いた打ち込みビートと陰鬱なギターリフ。ウーマックのしゃがれた歌唱とビートで構成されるスカスカな音空間を 埋めるように、残響多めなピアノの音色が浮遊する。この一見ミスマッチな組み合わせが独特の潤いを産んでおり実に面白い。 個人的なベストは終曲「Jubilee」、音圧高い四つ打ちとウーマックのしゃがれ多重コーラス隊の突進に興奮必至のウーマック流デジ・ファンクだ。
従来の彼の作品やソウルを愛聴する層よりも、オルタナロックを愛聴する層が好みそうな内容であり、本作でウーマック入門しようと考えている R&Bファンは注意が必要だ。若干アクが強く万人受けでは無い為星4つとするが、70歳を前に自らの音楽をアップデートさせる柔軟な姿勢は素 晴らしい。往年のソウルサウンドも捨てがたいが、目まぐるしく変わりゆく音楽シーンと同期する新しい彼も負けずに目が離せない。
ブラックミュージックを敬愛してやまないブリティッシュロッカープロデュースの系譜・・・と聞いて ものすごい期待していたので・・・そういう意味でいうとちょっと期待外れだったかも。。。。。 全編 Rae & Christian の Get A Life feat Bobby Womack のような感じかな〜と思っていたのだが・・・ あんなに黒々ではない。 考えてみたら、ボビー・ウーマックはライト・ファンクなアルバムなんかも出していたのだし、 彼を2012年版として表現するとしたら、このくらいで良いのかもしれない。。。。
近頃流行のビンテージ・ソウルとも違った伝統的なソウルアルバムって感じはするけれど、 個人的には、リー・フィールズ&ジ・エクスプレッションズの「マイ・ワールド」みたいなものが聴きたかった。
この人の評価ってのは現在どうなのだろうか?たまたま覗いてみたらいくらも書き込みがないので思わず書いてみた。 少なくともこの二枚が出た当時は日本でもそこそこ話題になり賞賛されたと記憶している。 確かにこれ以後の作品はマルチな器用さが仇となったのか、時流を睨んだ作品に傾き逆に印象を弱めてしまったということはあった。 しかし、この二枚はそんな彼の特徴がいい形でバランスの取れたこの時代のソウルの傑作である。そんな作品がひとまとめでこの値段とは、、、 再評価されたらバラ売りされる位のクオリティーはあると思うから、今のうちに買うべし!
待ちに待った再発です。映画「ジャッキー・ブラウン」にも使われていたソウル史に残る傑作タイトル曲を含む名盤です。早く欲しい!
ウォマック大先生の初ソロ&2作目の抱き合わせ盤。ほんと前から欲しくてなんだかんだやっと手にしたが…うーん予想以上!ベストとかで一部の曲は既聴だったが、(それらの曲の印象を総じてひっくるめながら予想して)もっとこれ“ら”、後の会心作の数々に比べていかにも南部で荒削りだろうなと思ってた!神がかりな彼としての頭角を出し始めた2作目はともかく、曲によってはもう初作目から聴けるじゃないっすかぁ、洗練された渋くてかっちょえぇぇウォマック(大先生、笑)流編曲術の完成形がさ!!ただ歌はほんのちょいまだ未完成!?(贅沢すぎるコメントだね、でも“あくまでも”)いやでも反面乗り切っちゃった感ある勢いがあってそれでイーブンだし、違った形でベストだなとむしろ思う。さらに言うと実は意外に勢いだけじゃないしね。ちなみに2作目の方はもう既に文句無し状態!!…ああそれとさ、後のが会心作だなんだ言っちゃったけど、売り上げだとか革新性だとか無視して純粋に音楽の面に関してだけ言えば共に同上の部類だよ!あっ個人的オススメ曲はM20(2枚目の7曲目にあたる)の彼の師匠サム・クック兄貴のカヴァー、言わずもがな大先生の編曲とそれにより改めて気づかされるクック兄貴の作曲の心に響く素晴らしさに2重3重にも驚き、もう、しばらくリピート決定だね!!!!まぁしかしやっぱ全部良いね、…って言っちゃあお終まいなんだけどさ。「アイム・イン・ラヴ」なんかとかもさ、イントロも歌(ピケット親父に負けてない、そもそもオリジナルだし)もいやはやぁてな感じでいいねー、………はいキリ無いんでコメント以上!!(笑)
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