80年発表。デビュー以降着実に成長を遂げてきた彼ら。彼らならではのひねくれた楽曲は勿論素晴らしいです。それまでリリースしたアルバムの中にあった素晴らしい要素をこのアルバムの中に取り入れながらも、1つ1つの楽曲がオリジナリティを持っていることは、注目すべき点だと思います。キンクス調の"Respectable Street"で幕を開け、"Generals and Majors"での余分のない音作り、パンクロック調の"Living through Another Cuba"、そして"Travels in Nihilon"での冷たく、そして息の詰まるような感じ…と、あらゆる要素が詰まっていて、個性的です。とても良い作品です。
このアルバムを買うまでXTCといえば 「ブラック・シー」ぐらいしか知らなかった。 何年か振りの復活ということで何気なく買ってみた。そして 卒倒しそうになった。 音楽美ここに極まれり。 アンディ・パートリッジの作曲の天才。声も作風も ポール・マッカートニーだ。それも全盛期のポール。 2曲目のアコースティックギター曲"I'd like that" などポールが作って 歌っていると言っても何の疑念も抱かせないほど。 (ただしスター性はアンディおやじには皆無。) 凝りに凝ったオーケストレーションとサウンドの作りこみは まさに、ポップ職人の技、匠の世界。 その中でホノボノとした味を醸し出すコリン・ムールディングの小曲。 オーケストラだがムード音楽になっていない。 これぞ由緒正しき英国ポップの香りというもの。 もう完璧。 あとはジャケットも、美しかった発売時の孔雀の羽に戻してもらえれば 何も言うことはない。
前作「イングリッシュセトルメント」ツアーの過労でリタイアし、当時はアンディの引退説どころか死亡説まで流れたという時期の作品、過労で引退した状況を反映してアンディの曲にはこれまでのような勢いのある曲は少なく、牧歌的で、暢気で長閑なアコースティックな曲が多く収録されている。(前作からアコースティックな曲が収録されるようになっていたが)特に3曲目「貧しい農家少年の恋」や「レディバード」などはこれまでには見られなかった新境地で、スティーブナイの繊細なプロデュースが影響しているのかもしれない。
本作では病み上がりのアンディよりも健全なコリンが目立っており、楽曲も充実している。本作のベストトラックは「ラビングメモリーオブネーム」で、まるで60年代後半のトラフィックのようなメロディアスな曲、ベース、ピアノ、ギター、ボーカル全てが完璧である。「play at home」というPV集でこの曲のPVを見たことがあるが、曲の雰囲気そのまんまの見事な出来だった。
他にも聴き所は多く、メインライターが病み上がりでも水準以上の作品を作り出せるのはすごいと思う。ドラムのテリーはこのアルバムの製作中に脱退し、オーストラリアに渡ってしまった。
急にXTCが好きになり集め出した頃に出たCDだったので思い入れ充分なのをお許し下さい。 オマケ(?)のCDにはアンディとコリンの解説が聴けるんです! もう、2人の声がダイスキな私には堪らないオマケです。 耳元で直接説明してくれているような感覚に陥り、Happyな気分になります。 話をしながらギターを弾いてくれたり、歌ってくれたり、サービス満点です。もし購入されるのなら こちらの限定版をお勧めいたします。 実際、デモ盤の一枚目より二枚目の方をよく聴きます。 アンディの自慢たっぷりの口調、コリンのモソモソ話す声…。 眠る前などにかけておくと ぐっすり眠れますよー。
あいかわらずズルすぎです。高カロリー+ジャンクフード満載の「午後の紅茶」というか、なんでデモ集が連作でアルバムで、どれもいいんだろう。14曲目、解説どおりならかなり危険な人なのかもね>デイブ・グレゴリー
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