いまひとつ評価されていないミュージシャン、泉谷しげる。でも好きなひとはいっぱいいるんだと思います。泉谷さんのデビュー盤ですが、砂時計や告白のブルースなど名曲がてんこ盛り。終盤はじっくり聞かせてくれます。ロックがどうなのとかフォークがどうだとか言う気はさらさらありませんが、一時的な流行にすたれるような音楽ではないと感じます。それは泉谷しげるのぶっきらぼうだけど優しさがにじみ出た声や、人々の生活に根差した歌詞がそう感じさせるのだと思います。迷ってるなら買ったほうがいいですよ。廃盤になってからじゃまた再発されるのを待たなきゃいけませんので。
四季を表した、なおかつ邦楽の中でも歴史的なヒットを収めてきた豪華な楽曲。
それも様々な時代を経て。
世代としては大きなギャップがあるように見えるが、
それを普遍的なジャズ・フレンチポップ・はてまたはバロックといった
簡単には色褪せない王道的なアレンジの下、
癖が少なく、耳触りもやさしい声色の森山良子が歌い上げる。
彼女の歌唱力は言うまでもないことなのだが
素直でありながら、正確無比で、しかし温かい。心癒される。
また、アレンジの良さもさることながら
バックバンドの生演奏も息を呑むような好演ばかりである。
歌手の歌わない間奏でも耳を集中してしまうくらい、聴き手を惹きつける。
そして、オーディオマニアも満足の好録音。
マニアとしては是非SACDで出してほしかった作品ではあるが、
CDでも魅力は十分に伝わってくる。妥協は一切感じられない。
オリジナルを損なうことは一切なく、いい音楽をよりよいものにする。
それが、世代を超えて親しまれた名曲が、さらに魅力を増しているのだ。
これがカバーアルバムの魅力だろうが、この1枚はそれを遺憾なく発揮した
教科書ともお手本ともいうべき、名盤である。
これは何と言っても泉谷さんの録音につきる、
というオムニバスで、
「きよしこの夜」でのブチ切れ方には、
同じスタジオにいる拓郎や陽水が、あきれかえっている様が
入っており、クスリの影響もあったのでしょう、
とにかく、
「何がクリスマスソングだ馬鹿野郎!!」
という凄みが感じられます。
その他「冬を走る君」「PAPAPA」などの
オリジナル曲で、「家族」「光石の巨人」時期の
一線越えてしまってる泉谷ワールドが炸裂しています。
他の3人はふつうです。
小室等さんって、尾崎豊さんに歌い方が似ているなあ、
と気付く程度で、無難な出来。
拓郎さんが泉谷さんに提供された、「街を片手に散歩する」は
でもやっぱり、この頃の泉谷さんの凄さに脱帽の一曲でした!!
私は錦戸くんの大ファンでこのドラマ見始めたんですが、自分も動物を飼っている身なのもあり、色々と考えさせレラることも多いドラマでした。スカイかわいかった〜。初めて、錦戸くんがパパ役に挑戦したドラマだけど、ほんといいパパ役してました。(本人、役の年齢より若いしまだ独身だけど・・・。)味出してました。決して稼ぎは良くないし、情けないところもあるけど、かっこよくて素敵なパパしてましたねー。何度も観ちゃってます。動物を飼うということに関してのほかに、子供たちが難しい年頃になっていって、友達との関係に悩んでいるところとか、パパの仕事での問題とか、今けっこう、周りで起きていそうなことも結構描かれてるし、見る価値あると思いました。
「生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」、長いタイトルである。毛沢東の文化大革命時代の紅衛兵のある集団名から取ったと言われるこのタイトルを聞いて、人はどんな映画を連想するのか?。
「略称・党宣言」とも言われる今作は、日本映画では極めて稀な原発ジプシーと呼ばれる原発作業者たちの過酷な現状と原発の闇をえぐり出した作品として、反原発の気運高まる昨今、その評価が高まっているよう思える映画である。
だが、ちょっと待って頂きたいと映画ファンの端くれとして言いたい。
確かに、今作の主人公原田芳雄はやくざくずれの原発ジプシーとして登場。彼をフィルターにして描かれる彼らを巡る劣悪な作業環境と過酷なピンハネ、安全度外視の危険作業にやくざの釜が崎からの作業者一本釣りなど世間ではタブー視されていた部分がたっぷりと描写されているが、だからと言って、今作はただの社会派映画では断じてない(ある側面としてはもちろんあるが)。
ここで蠢いているのは、原発の町に肩寄せ合い集まっている人々。即ち、ドサ廻りのズ―ド・ダンサー、やくざ、暴力団から逃げた少女、フィリピンからの出稼ぎ娘、不良中学生と教師、そして原発ジプシーたち。
彼らの悲喜こもごもの日常を、活劇、恋愛、人間ドラマと言った映画的な味付けも盛り込みながら、いかにも森崎東らしい猥雑でパワフルな喜劇としてダイナミックに描いているのだ。
原発ジプシーだけでなくじゃぱゆきさんも取り上げられているが、威光高にメッセージを発している訳ではなくて、飽くまで底辺に生きる人たちへの人間賛歌になっている。
題材が題材だけに、製作会社、配給会社が何年も中々決まらなかったと言う辛苦を背負った映画だが、原田芳雄以外にも倍賞美津子、梅宮辰夫、平田満、泉谷しげる、左とん平らの豪華出演陣が参加。
その年のキネ旬ベスト10にもランクインされた傑作。60年代から松竹で山田洋次と並んで「男はつらいよ」シリーズを手掛けながら、反公序良俗的な要素を以て、山田のアンチテーゼと称された森崎東節を、是非堪能頂きたい。
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