裁かれないモンスターチルドレンと崩壊学校、復讐する女教師・・・冒頭の衝撃性にくらっと来ない人はいないと思うのですが、バックグラウンド抜きに描写するにしては、少年達の悪行も、先生のターミネーター度もやり過ぎて、滑ってしまっています。トリックや動機も、答え合わせに終わっていて、やられたっ!と思わせるものが乏しかったです。 少年達がもっと犯罪者らしく命に執着をもって狡賢くやってくれれば、先生がもっとサービスたっぷりに絶望させてから撃ってあげれば、そしてこんな少年達のほんの数名でもノンフィクション的なリアリティを持ち、自分の娘のいる教室にもいるかもというひやりとした感覚を持たせてくれたら・・・あっちの作品なんて消し飛ぶほどの傑作になっていたでしょう。映像化のときはぜひこのあたりに補強を希望します。
『墓標なき草原(上・下)』楊海英 岩波書店 2009年12月18日
漢民族の凄まじいまでの内モンゴルでのモンゴル人の殺戮の日本統治時代が終わった後から文化大革命までの記録である。民族の自決を謳い、民族の共存を標榜したスロ−ガンとは裏腹に中国共産党の下での内モンゴルでのモンゴル人の弾圧の記録でもある。中国共産党の漢民族の支配はチベット、ウイグルに限らず内モンゴルでも行われたことを我々に知らしめてくれる。
これまで文化大革命は漢民族の間で毛沢東の権力奪回を目的とした階級闘争として語られてきた。しかし、文化大革命は少数民族の間で最も過酷だったと言われているが、それを明確にした記録が明らかにされてなかった。その意味でこうした事実が明白にされたことに本書のもう一つの意義がある。そして少数民族への弾圧は何も文化大革命のみではなくそれ以前の中国共産党の支配から始められていたことを明らかにしたことがもう一つの意義である。
この書については異議もある。それは「はじめに」と題する部分で『近代日本がモンゴル人の草原に触手を伸ばしたがゆえに、モンゴル人の領土が中国に占領されたのである』という部分(3頁)には異議がある。日本がモンゴル人の草原、つまり満州などを支配したのは事実であるが、それがために中国が内モンゴルしたのではない。日本なくしても中国は内モンゴルを占領したのである。筆者はチベット、ウイグル、旧満州の朝鮮自治州の漢民族による支配と民族浄化を見ていない。漢民族の中華思想に基づく覇権主義こそが他民族の支配を生んできたのである。その意味では筆者の分析は甘い。
なお、日本統治時代には内モンゴルには近代化が図られ内モンゴル人の知的水準の向上をもたらしたこと、中国とは異なり殺戮もなく人々が平穏な生活を送っていたこと、が本書でもこのことが指摘はされているが、もっと強調されてよい。こうした点にも筆者の日本に対する偏見が感じられる。
これらのことを除いても本書は中国共産党(中国共産党というより漢民族と言った方が正確と思われる)の少数民族の弾圧と殺戮を理解させてくれる意味で貴重なものである。
レビューを見てではなく、書店で(私の場合は主に古書店だが)見かけて気になった本が当たったときというのは妙に嬉しかったりするのだが、今回がまさにそれ。
「少年」という言葉で何をやっても許されるこの世の中に真っ向から立ち向かった作品である。多くは語らない方がよかろうが、大きな顔をしてのさばり、はびこっている「ガキ」が次々と倒されていくのを読むのは実に痛快であった。「トラウマ」という言葉に対する警鐘も、育った環境のせいにできるのも限度があるということを端的に指摘しているあたり、なかなかである。人質にされた我が子が殺されてほっとする、あるいは身代わりになれと言われて誰も名乗り出ない、という「親」の描き方も最高。やってくれるぜ。
星を一つ減じたのは、スクールジャッカーに対する警察側の正義感が鼻についたから。こんな使命感に燃えた人間、今の警察には絶対いないと断言できるね。
本書は,気楽に読めるマンガの形をとってはいるが,著者,監修者ともに,北朝鮮に関する最高の権威であるらしい。北朝鮮の権力構造や金正恩の家系なども紹介されている。 長男の金正男が,当初後継者として育てられながら,やがて,それから外され,代わりに,異母弟の金正恩が後継者に選ばれていく過程が,大変分かりやすく解説されている。 この書によれば,長男の金正男は,北朝鮮がこのままではだめになると思い,改革しようとしたが,その考え方が金正日の逆鱗に触れ,逆に,父親の考えを踏襲する金正恩が後継者に選ばれていった。 したがって,金正恩体制化では,日本と北朝鮮との関係が,改善されることは,当面は期待薄のようである。
このCDを聞くとついパチンコに行きたくなります。特に確変大当り中に流れるBGM(必殺!〜荒野の果てに)は最高です。通常大当り中に流れるBGM(やがて愛の日<確変>が)もいい曲なんですが、気分的にあまり聞きたくありません。また、実機用オリジナル・アレンジBGMもボーナストラックに収録されていて感動します。個人的に好きな曲は、勇次ストーリーリーチBGM(『櫻の花のように』をアレンジしたもの)です。「ぱちんこ必殺仕事人3」にはまっている人におすすめします。
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